脱・ワーカホリック宣言 エンジニアのための「アフター9(ナイン)」の過ごし方
PM21:00
AM5:00

  ハードワークをこなすエンジニアは、プライベートタイムを持ちにくく、「アフター5などもってのほか!」という方ばかりだろう。そこで、限られた時間の中でも日常を充実させるために、あえて「21時以降」の過ごし方を提案したい。毎回ライフスタイルから、趣味・娯楽、アカデミックな領域まで、それぞれの分野のプロフェッショナルが登場し、ワーカホリック気味の生活を脱却する術をアドバイスする!

第2回 余裕を生みだす「創造性」を手に入れる(後編)

丁野朗

profile

財団法人社会経済生産性本部 余暇創研 研究主幹
丁野朗(ちょうの・あきら)

1950年生。マーケティングおよび環境政策のシンクタンクを経て、(財)余暇開発センターに移籍。「ハッピーマンデー制度」やバカンス制度の提唱、産業観光 、『レジャー白書』の編集などに携わり、観光関連を中心に関係省庁の委員として各種政策形成にも関わっている。国士舘大学政経学部講師を兼任

プロジェクト計画は“休暇計画”

  「何のために働くのか?」と聞かれて、即座に「休暇をとるため」と答える日本人はほとんどいないでしょう。一方、欧米諸国では、「オフを楽しむために働く」という考え方が定着しています。年末にはもう来年の夏休みの休暇を申請し、会社もそれを見て来年の生産計画、業務計画を作るのが欧米流です。

  日本では、エンジニアの有給休暇消化率の低さが指摘されていますが、そもそも有給休暇の取得は「社会の権利」であり「企業の義務」と考えられている欧米諸国と比べると、消化率について議論していること自体がナンセンスです。

  確かに、システム開発などの分野で、工場のような生産計画を実現するのは簡単なことではありませんが、IT関係のプロジェクトというものは必ず期間が決まっているので、プロジェクトを計画する際に、プロジェクト終了後の休みの計画も一緒に組んでしまうのもひとつの手です。

  実際、「ここまで達成したら1週間のオフがある」とゴールが見えていると、忙しくても精神状態を良好に保つことができるものです。プロジェクトの計画は、同時に“休暇計画”でもあるというくらいの意識を持つべきです。

“クリエイティブ”な休日を過ごそう

  休暇というと、かつては肉体的な疲労回復の意味合いが強かったのですが、最近はよりアクティブな性格のモノに変わってきています。

  疲れには大きく分けて「体の疲れ」と「心の疲れ」がありますが、心の疲れは、ただ休日に家でゴロゴロしていてもなかなか取れないものです。仕事による心の疲れは、仕事とはまったく切り離された環境の中に身を置くことでしか解消できません。

  仕事が原因で心身症になってしまうようなタイプには、このような切り替えが苦手な人が多いようです。彼らは、せっかく休暇をとっても、「どうやって過ごしたらいいのかわからない」と言いますが、休暇というのは本来“クリエイティブ”なものであって、どうやって楽しむかは自分で創意工夫するものです。今では「遊び大国」と言われるフランスでも、1936年に国が2週間のバカンスを作った当時の雑誌には、「何をやっていいかわからない」という記事が出ていたそうです。

  ですから、みんなが海外旅行にいくからといって、「自分も」と焦る必要はまったくありませんし、人によって楽しみ方は違っていいはずです。地元の祭りで神輿を担いでもいいし、路地裏を歩き回って古い建物の写真を撮るのでもいい。

  外出するのがあまり好きでないなら、「寝ることそのもの」をレジャーにしてしまってもいいかもしれません。最近は100万円もするベッドが売られていますが、意外にも買っていくのはほとんどが若い人だそうです。重要なのは、何でもいいから仕事と離れてのめり込むことができるモノを見つけることです。

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