半導体関連業界編

日本が世界に誇る産業のひとつが、半導体業界である。ここ数年、携帯電話やフラッシュメモリなどの需要が高まり、好景気感が強い。製造装置メーカーを含めさまざまな企業がコラボレーションし、日進月歩で進化するので、この業界でキャリアアップを狙うなら、最新情報は必ずチェックしておこう。(取材・文 小林弘司)

業界MAP 半導体関連業界

業界動向

開発から生産まで最高レベル! 世界に誇る国内産業

熊谷多賀史

Profile
SEMIジャパン 代表
熊谷 多賀史
(くまがい・たかし)

東京大学工学部を卒業後、日産自動車に入社。経営管理、エンジニアリング、品質管理など様々な職種を経験し、1991年に北米日産フォークリフト会社にて執行副社長を務めた。1994年、アプライド マテリアルズジャパンにCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置のプロジェクトマネジャーとして入社。1998年にCMP製品事業部長、コーポレートオペレーション担当執行役員を歴任し、2005年7月より現職。

 1991年当時、世界市場の39%を占め、花形産業として君臨していた日本の半導体業界。PCの普及、デジタル家電の普及などをピークに数年周期で浮き沈みを繰り返しながら、今日でも健闘を続けている。国内におけるその筆頭が、生産設備への大幅増資を発表した「東芝」(2005年度世界半導体売上4位)、日立製作所と三菱電機が設立した「ルネサステクノロジ」(同、6位)で、同8位には2002年にNECから分社化した「NECエレクトロニクス」がつけるなど、世界市場においての日本の存在感は高い(出典:ガートナーデータクエスト/2005年)。

 「最終製品としての半導体は性能向上のスピードが速く、新製品を開発しても価格維持が困難で、ビジネスとして利益を確保するのが難しい産業。そのなかにあって専業メーカーが少ない国内企業が、数万人の雇用を堅持しながらここまで健闘しているのは、評価に値する」とSEMIジャパン代表の熊谷多賀史氏は解説する。

 確かに、以前のパソコンのようなキー・アプリケーションがないものの、携帯電話やフラッシュ・メモリ、携帯音楽プレーヤー、DVDレコーダー、薄型テレビなど、幅広い分野を手掛けながら事業を拡大し、設備投資を増強させている国内企業が多い。

 「半導体市場は、今後も着実に規模を拡大していきます。国内企業も急激な成長は望めないものの、堅調に推移していくと予想されています。一方、半導体製造装置や材料などの関連産業に目を向けると、さらに視界は明るいですね」

 製造装置では「東京エレクトロン」、「アドバンテスト」、「ニコン」、「キヤノン」、「日立ハイテクノロジーズ」など、国内企業がグローバルランキングトップ10(出典:VLSIリサーチ/2004年)に数多く名を連ねる。「技術力、生産力のいずれにおいても、我が国は胸を張って世界一の実力があるといっていいでしょう」(熊谷氏)。

 製造装置・材料業界の企業の多くは、従業員も1000人以下と小さく、売上も数百億円規模。だが、世界的にみてもオンリーワン製品を数多く開発しており、技術力の高さに定評がある。さらに、日本のお家芸とも言える歩留まりの高い品質・生産管理力があるのだから鬼に金棒だ。また、最終製品である半導体と異なり 、オンリーワンならではの価格維持の容易さに加え、世界のどの企業とも取引できる強みがある。

  「半導体の潮流を見越して製造されるため、製造装置のライフサイクルは長く、現在のものでもあと5年、開発中のもので10年後、提案中のナノテク関連の製品なら2世代先まで安泰でしょう。これからますます面白くなってくる業界といえるでしょうね」

求められる人物像

 半導体関連業界は技術革新のスピードが速いので、技術者はもちろん、営業職などでもその速度に柔軟に対応しながら知識を吸収できるフレキシビリティが重要でしょう。また、今後は海外への進出がさらに活発になってくるので、外国語、特に韓国語や中国語へのニーズが増えてくると予想されます。英語のみならず、こうした言語に強い人は有利と言えますね。加えて、働く場所や関わる人間など、環境の変化も激しいので、誰とでもオープンにコミュニケートできることが重要です。特に、比較的規模の小さい製造装置メーカーなどは、大企業に比べ、自分の実力を発揮しやすいと思いますから、貪欲にチャレンジしてほしいですね 。

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