業界MAP 家電業界編


周知の通り、日本は世界に名だたるメーカーがひしめく家電メーカー大国だ。ここ数年、技術の高度化と細分化が飛躍的に進み、薄型テレビに代表されるように、メーカー間での提携が世界規模で盛んである。国内だけでも40兆円市場という
超巨大マーケットの最新事情に迫る!(取材・文 小林弘司)

業界MAP 家電業界

業界動向


40兆円の巨大市場 海外でのケータイ成功が成長の鍵

西田宗千佳

Profile
家電ジャーナリスト
西田 宗千佳氏
(にしだ・むねちか)

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。IT・家電・通信分野について、取材記事と解説記事を中心に、『朝日新聞』『アエラ』『月刊宝島』『デジタルONE』『AVWatch』『教えて!家電』などに執筆。最近は、白物家電と次世代ゲーム機、携帯電話への新規参入などの話題を取材中。「はっきりわかりやすくおもしろく」がモットー

 近年は国内経済が持ち直してきたこともあり、家電業界は各メーカーが生産する電子デバイスやエレクトロニクス製品などを含め、40兆円という巨大市場を堅持。2006年3月期ではさらに5%程度の成長が見込まれている。こうした成長を支えているキープロダクツが、液晶やPDP(プラズマディスプレイパネル)などの薄型テレビやDVDレコーダー、携帯音楽プレーヤーなどの「AV機器」だ。1インチあたり1万円が普及のボーダーラインといわれてきた薄型テレビの市場価格は、すでにこのラインを超え、本格的な普及が期待されている。

 また、冷蔵庫や洗濯機などの「白モノ家電」でも、2003年に発売された「ななめドラム洗濯機」や2004年の「水蒸気オーブンレンジ」など、ここ数年、特徴のある製品が市場の注目を集めている。「80年代に飽和状態を迎えたと思われていた白モノ家電も、90年代半ば以降、各社がそれまで培ってきた独自技術を基盤に、省エネや環境などをキーワードとした新しい手法の製品を投入してきたことで、新しい白モノ家電の人気が高まっているのです」と、家電評論家の西田宗千佳氏は説明する。

 だが、「低額商品と高額商品の二極分化が進んでいる」と西田氏は続ける。この背景には低額商品では海外メーカーとの競争に勝てない国内各メーカーは、富裕層をターゲットとした付加価値で勝負せざるを得ないという現状が見える。

 「それでも海外で総合家電メーカーは数社しかない中、日本国内メーカーの市場は7社で40兆円規模。これは賞賛に値します」

 しかし、あらゆる製品のライフサイクルが短命化している昨今、これまでのように1企業内で半導体を含めたすべての部品を自社で賄うやりかたには限界がきている。企業間での業務提携などが増えつつあるのはそのためだ。

 「共同開発したプラットフォームを元に、各社が独自技術を加えて付加価値を高める、いわば企画力やマーケティング力で勝負する時代になるでしょう。その前提としてのM&Aや提携などの業界再編はありうるでしょう。各社ともマーケティング力、商品企画力や発想力、それを実現するための技術力、そして販売力など、それぞれの強みを活かした戦略を実践しているのだ。

 「今後も数%程度の1桁成長は維持できると思います。ですが、大きくブレイクするには海外市場にも通用するさらなるキーデバイスが必要でしょう。本来なら、携帯電話がこれに当たるはずですが、独自方式で成長した日本製品は国外では通用しない。海外、特に中国での携帯電話市場のシェア拡大が、国内メーカーの今後の動向を左右することになるでしょうね」

求められる人物像

 以前は生産拠点の流出が話題となりましたが、最近は海外向け製品の生産を現地を行う企業が増えています。海外での仕事が多くなると考えられるので、外国人とのコミュニケーションがとれる人材つまり、海外向け製品を生産するために、会話レベルではなく、風土や文化を踏まえてコラボレートできる人材が今まで以上に求められるでしょう。英語はもちろん、特に韓国や中国の事情に精通している人材が高く評価されています。あとは、商品企画力に長けている人。今は団塊世代やシルバー世代をはじめとする富裕層など、ナローマーケットに対する市場創造型の商品企画ができる人材にも注目度は高いですね。

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