ゲーム業界編

 先行して発売したマイクロソフト『Xbox 360』に続き、ソニーの『PS3』、任天堂 の『Wii』と、各社とも次世代機の発売を控えている。ハードの高度化に呼応するた めに、ソフトメーカーは企業間提携や合併・統合、開発会社への委託受注などの動 きで対応を図る。技術の進歩と共に変革を続けるゲーム業界の“今”をみてみよう(取材)。

業界MAP ゲーム業界編

業界動向

ゲームの枠を超越し、新たなチャネルとの融合が活発に

バカタール加藤

Profile
株式会社エンターブレイン
週刊ファミ通編集長 
バカタール加藤氏
(ばかたーる・かとう)

1964年東京都生まれ。1990年にアスキーに入社し、『ファミコン通信』(現・週刊ファミ通)編集部に配属。2000年にエンターブレインとして分社後は『ファミ通+64』(現・『ファミ通DS+キューブ&アドバンス』)の編集長を経て、2002年より現職。未だに現役のゲーマーでもある。

 少子化の影響で成長の鈍化が懸念されていたゲーム業界だが、2005年は大いに盛り上がった1年だった。ハードウエアをみると、現行の据え置き型ゲーム機の3強のうち、ソニー・コンピュータエンタテインメントのPS2(プレイステーション2)がシェアの約80%を獲得し、任天堂のゲームキューブやマイクロソフトのXboxを大きく引き離して一人勝ちの状態。だが、昨年は携帯型のニンテンドーDSが大ブレイクし、市場を牽引した。その好調な売上を背景に今年3月には上位機種のDS Liteを発売したが、週に15〜16万台を販売しても市場ではいまだに品薄が続いており、今後も売上を伸ばすことは必至だ。

 業界では絶大な知名度を誇る『週刊ファミ通』編集長・バカタール加藤氏は「ニンテンドーDSは据え置き型の端境期にヒットしたことで、業界の売上を牽引するとともに、これまでの主力だった若年層や20代後半から30代に加え、中高年層という新しい市場を開拓した意味でも、大きな収穫でした」。こう解説する。据え置き型でも昨年末の「Xbox360」に加え、今年中には「PS3」や任天堂「Wii」も発売される予定。画像処理能力や操作性の向上、ハイビジョン対応などの高機能化が進むことで、新たなユーザーを開拓しそうだ。 一方、ソフトウエアを見ると、2005年度のゲームソフト売上ランキングでは、DS用がランキングトップ10の内、7本(ファミ通調べ)。一人勝ちの様相を呈する。

 「以前はメーカーも売上を確保できるヒットタイトルの続編に頼っていました。しかし、売上下落の反省から、『龍が如く』や『脳を鍛える大人のDSトレーニング』といった大人向けのゲームを開発するなど、この1〜2年で従来とは異なる手法の商品がヒットしています。これは大きな変化といえるでしょう」。現在も次世代ハード機登場に向けて、新規ソフトの開発が行われており、こちらも期待できる。 日本では期待ほどには普及していないように見えるPCのオンラインゲーム市場も、新たな展開を見せる。

 「著作権保護の事情からPCによるオンラインゲームのビジネスが成立しやすいアジア諸国と異なり、日本ではパッケージ主体。そこに文化の違いがあったのですが、すでにアーケードゲームのオンライン化や、パッケージの拡張をネットワーク経由で行うことが当たり前になり、垣根がなくなってきています。次世代ハードの登場により、さらにこの傾向が強まるのは当然で、今後はオンライン化が不可欠な要素になるでしょう」また、アーケードゲームもセガを中心に、『ムシキング』や『WCCF』に代表されるトレーディングカードの要素を取り入れたものが活況を呈している。

 「従来のゲームの枠を超越し、キャラクタービジネスも当然となっている業界だけに、これまでの同業間の提携に加え、今後は新たなチャネル展開を可能にする異業種間の合併や提携が活発になるでしょう。それだけにダイナミックな動きが見られ、将来が期待できる業界になっていくと思います」

求められる人物像

 歴史が浅い業界ですが、その分、急速に組織化が進み、マネジメントやクリエイターなどあらゆる分野で人を求めています。その意味でキャリアアップや独立などもしやすいでしょう。また、大作化の影響から、幅広い分野の専門家を外部スタッフとして巻き込んでの仕事が増えています。いずれにしても個人の才能に依存する面が強いので、クリエイティブやマーケティングなど、どの職種においてもその分野に特化した、誰にも負けないといえる能力が求められています。特にゲームという「遊び」の本質を見極め、新市場を創造できるようなアイディアを持った人材には、各社とも興味を持つことは間違いありませんね。

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