人材サービス業界編

日本版SOX法や2007年問題など、企業は時代の変化や要望に対応するために人材の確保に追われている。その背景を受け、成長著しいのが、人材紹介会社や派遣会社などの人材サービス業界だ。正社員だけではなく、紹介予定派遣などさまざまな雇用形態がある中、今後どのように変化していくべきなのだろうか(取材・文 小林弘司)

業界マップ(スタッフサービス,パソナ,グループ,テンプスタッフ,アデコ,リクルートスタッフィング,マンパワー・ジャパン)

業界動向

成長業界であるがゆえの競争が激化

猪股 真

Profile
行政書士・個人情報保護士
人材派遣業許可人材紹介業サポートセンター
  代表 猪股 真氏
(いのまた・まこと)

1973年神奈川県生まれ。専修大学法学部卒業後、ソフトハウスにプログラマとして入社するも1年で退職。独自に株価分析ソフトの開発を手がけた後、行政書士資格を取得。現在は人材派遣(人材紹介)や医療法人、個人情報保護を専門とするCSRビジネスコンサルタントとして活躍。メルマガ「猪股 真のYesなビジネスの作り方」も好評

 専門的なスキルを持った人材の短期的・流動的なニーズに対応する「人材派遣」。即戦力となる社員のスピーディーな確保を求める企業と、転職希望者をマッチングさせる「人材紹介」。この2つの事業を柱とするのが人材サービス業界だ。

 人材サービス業界は、この10年間、右肩上がりの成長を続けてきた。その背景にバブル経済崩壊以降のリストラや採用抑制があったことは周知の事実である。もともと、まったく異なるニーズに対応し、業界の中でも明確な「棲み分け」の中で成長してきたこれらのビジネスが、近年、大きく転換してきている。人材派遣業許可人材紹介業サポートセンターの代表を務め、コンサルタントとしても人材ビジネスに精通する猪股真氏は、人材サービス業界の現状を次のように説明する。

 「バブル崩壊以降、日本経済は産業の構造転換を迫られ、リストラなどが相次ぎました。反面、雇用確保などの政策上の理由から、派遣の対象業務が原則として自由化されるなど、規制緩和が促進されました。加えて、近年の経済状況の改善により、人材の需給関係が変化してきた結果、先々の正社員での採用を前提とした紹介予定派遣のニーズが拡大し、2つのビジネスがオーバーラップしてきているのです。そのため、派遣だけ、あるいは紹介だけを手掛ける企業は減少しています」

 即戦力となる人材を短時間で確保(派遣)し、良い人材であれば社員として迎える(紹介)という、一石二鳥のサービスとあれば企業が歓迎するのは当然。いわば、企業のニーズに則した業態変化である。近年、業務請負の形態をとりながら、事実上は派遣同様の「偽装請負」が問題となってきたが「コストや効率を重視する企業にとっては都合がいいわけで、つまり現実の企業ニーズと法律のギャップをどう埋めるかが今後の課題」と猪股氏は指摘する。

 現在、人材サービス業に対するニーズは、大都市圏だけではなく地方や一部は海外にも広がっている。課題を抱えてはいながらも、今後も成長が期待されている業界の1つであることには変わりない。

 「いわゆる2007年問題をきっかけに、05年頃から人材サービス市場に参入する企業が雨後の筍のように急増しました。そのため、スタッフと呼ばれる派遣社員や、転職紹介を求める登録者の取り合いになり、人が集まりにくくなっています。一方、企業のニーズは量から質へ、あるいは正社員採用から短期契約の単純作業員まで、従業者活用を細分化する方向に転換しています。人材サービス業界では、こうした変化に対応できるよう、独自の教育を施した質の高い人材の育成、あるいは短期労働者専門など、明確な強みを持った企業だけが生き残れる、厳しい状況を迎えてつつあるといえるでしょう」

求められる人物像

 

 紹介も派遣も、人材サービスはマッチングビジネスであることに変わりはありません。ですから、人が幸せになるお手伝いをすることに自分の幸せを見出せる人が求められるでしょう。具体的には、仕事を求める多くの人たちの将来設計に対する不安を解消し、スキルアップへ導く。そして管理するのではなく、きめ細かい対応で仕事=自己実現という目標へのモチベーションを高めてあげることができる人ならば、単なる転職・就職志望者といち担当者ではない関係を築くことができると思います。

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