人気職種キャリアMAP

グラフィックデザイナーキャリアMAP

表現力を支える造型や色彩に関する基礎的な知識をしっかり学んだ上でのキャリアアップがカギ
グラフィックデザイナー
デザインの専用ソフトが登場し、興味や関心があれば誰でも挑戦できる時代となった。だが、クライアントを納得させ、見る人に効果のあるインパクトを与える仕事をするためにはどうすべきか?
最近の傾向
 新聞や雑誌、ポスターなど人の目に触れる機会の多い広告のデザインを形にしていくのがグラフィックデザイナーの仕事。PCが普及する前は美術的な才能や資質が求められた専門職だったが、専用ソフトが登場して興味や関心があれば誰でも挑戦できるほどハードルが下がった職種の1つだ。景気の低迷が長引いたために、大手企業は今も広告予算を絞り気味で大規模なキャンペーンを伴う広告は大手広告代理店経由で著名なクリエイターへ集中している。必要なソフトが操作できるスキルは基本だが、長期的なキャリアを考えるならば、多様なケースに通用するセンスを磨き、豊富なアイデアを蓄える必要があるだろう。
 また、短期間であっても、一度は専門的な教育機関で学ぶことが必要な時代になっている。平面(=グラフィック)デザインだけでなく、映像演出やデジタル機器、ジュエリーのプロデュースなどへ活躍の場を広げているクリエイターはみな若い時に基礎を徹底した学んだ経歴を持つ。理想的なキャリアと実績を積み重ねていくためにも転職には慎重を期すべきだ。

理想の人物像
 グラフィックデザイナーは芸術家ではありませんが、クライアントを納得させ、見る人に効果のあるインパクトを与える“ビジュアル表現”を身につけるためには形態や色彩を駆使して、アイデアを形にするプロセスをは徹底して学んでおくことを勧めます。若いうちは修行と割り切って、クリエイティブディレクターやアートディレクターから指示されたものを淡々と作業して形にしていくデザイナーでいいかもしれません。しかしそれでは、いざ自分がディレクターとして斬新なアイデアや表現をゼロから考える立場になった時にすぐに壁にぶち当たり、限界を感じてしまう可能性があります。多摩美術大学でも社会人向けのデザイン学科を夜間に開講していますが、ビジネス感覚が構築された上に、表現力を支える造型や色彩に関する基礎をしっかり学べば、可能性は広がります。デザイナーは言葉や態度ではなく、ビジュアルで自己主張していく職種ですから、そのための基盤づくりをしてから挑戦してほしいと思います。
多摩美術大学 グラフィックデザイン学科研究室
教授
田口敦子さん

 多摩美術大学卒業後、大手出版社への就職を経て同大学専任講師に。95年に教授就任。広告やサインデザインに関する各種団体の理事等を歴任。広告・公共景観の専門家として東京都をはじめ複数の自治体において審議会委員も務めている

広告代理店・グラフィックデザイナー・27歳(女性)
美術系の短大を卒業して1度は広告代理店へ営業として就職。2年経ち、どうしてもデザイナーになりたくて母校で1年学び直してから再就職しました。ビジュアルの表現力を母校で学んだ成果、クライアントからどんな質問がきても論理的に説明できるのが強みです。
広告業界はクライアント(顧客)がすべての世界。特にプレゼンテーション時にはビジュアルにも説得力ある裏づけが求められる。単なるアイデアレベルや思いつきでなく、クライアントやユーザーも納得させるだけの実力がなければ厳しい。
デザイン事務所・アートディレクター・30歳(男性)
大学は文系で専門的には学んではいませんが、今の職場に転職して5年の間に夜間の講座に通いました。あとは上司であり師匠でもあるディレクターについて次々仕事をこなしてきました。やっとメインクライントのデザインを全面的に任せてもらうようになりました。
以前は“徒弟”的な慣習もあったのが広告デザイン業界。奇抜なアイデアや発想ばかりが支持されるように思われるが、基礎的なスキルやノウハウの積み重ねが新鮮さや斬新さの源になる。実力あるデザイナーの下で学ぶのは最高の勉強になる。
レコード会社・アートディレクター・33歳(女性)
大学を出てから広告代理店で5年ほどデザイナーをやっていました。ずっとディレクターの“手足”だったのが不満で転職。CDのジャケット制作やプロモーション全般のデザインを担当しています。大学在学中に専門学校にも通っていた経験が役立っています。
レコード会社には専属のアートディレクターやデザイナーが在籍している。会社独自のカラーを強く打ち出し、常にユーザーを飽きさせない戦略が必要だからだ。プロジェクトのカギを握る職種だけに、磨き抜かれたビジュアル表現力が必要だ。

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