プロマネ人気がダウンの一方でITコンサルの人気が高まる?

プロマネの人気凋落に伴って、相対的に人気が高まっているのがITコンサルタントだ。ここで、念のためにプロマネとITコンサルタントとの違いを説明しておこう。一言でいえば、プロマネはプロジェクト全体を見渡し、マネジメントするジェネラリストであり、ITコンサルタントはスペシャリストということになる。

すなわち、プロマネの仕事には、予算管理や人員の問題、例えば予算や人員が足りなかったら補充したり、クライアントと予算交渉をしたり、社内から応援を頼むといったネゴシエーションが含まれる。一方、ITコンサルタントは「現場寄り」の仕事である。例えば現場の人と要件を詰めてシステムのアーキテクチャをデザインしていくなど、業務知識とITのスペシャリティがふんだんに求められる。

一般的には、ITコンサルタントを経験してからプロマネになる人はいても、プロマネを経てITコンサルタントになる人はあまりいない。この点からすると、キャリアデザイン的にはプロマネの方が“格上”にも見える。しかし、それでもITコンサルタントを目指す人が増えているのは、「スペシャリティを武器に一生食べていけるイメージがあるから」(山崎氏)だという。

「クライアントの課長だろうが部長だろうが、要件を詰める人と一対一で対峙(たいじ)できるのがITコンサルタントです。ジェネラリストとして、幅広い経験が求められるプロマネに対し、ITコンサルタントはクライアントの立場でより深くコミットできるということと、専門性を持った現場リーダー的なイメージがウケているんだと思います」

SEからプリセールスのキャリアも選択肢に

プロマネをITエンジニアのキャリアゴールに置く代わりに、プリセールスを目指す人も少なからずいる。山崎氏もその1人だ。

「私はクライアントと会うのが好きなので、プリセールスのキャリアを積んでいくのもいいなと感じています。クライアントと直に接して仕事をやれるのは魅力です。SIer時代に、クライアント先で仕事をしていましたので、提案書を書いて、金額の説明をするといったことは一通りできます。『私は営業もできますよ』ということは、今の会社に入る時にも言ってあるんですよ」

将来、プロマネ、ITコンサルタント、プリセールスのいずれに進むにせよ、忘れてはならないのは、「今、ただプログラムを書いているだけの毎日を過ごしていては生き残れない」(山崎氏)ということだ。

「やはり35歳くらいになってくると、頭の柔軟性や吸収力も落ちてきますので、技術に追いついていくのがきつくなってきます。それに加え、体力も落ちてくる。徹夜して次の日にピンピンして出社することも難しくなる。そう考えると、技術だけにずっと固執するというのは明らかにリスクが高い。ただ、35歳になってからそれに気付いても、その後の対処が難しいですから、やはり20代のうちから準備をしておくべきだと思いますね」

山崎氏が指摘するように、IT業界で長期間生き残っていくためには、遅かれ早かれ“技術一辺倒”からの脱皮が必要になってくる。次回はこの点から話を始めよう。

山崎慎一氏(仮名・35歳)

大学卒業後、大手SIerで5年間ビジネスアプリケーションなどのシステム設計や開発を行う。その後、大手パッケージベンダにてERP導入のコンサルティングに携わり、現在はメーカー系システム会社でITコンサルタントを務める。開発、要件定義からプリセールスまで手掛け、業務知識も豊富なヤリ手のコンサルタント

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