なぜプロマネ人気がダウンしたのか……

告白シリーズ ITコンサルタントの告白 第4回 話せる“技術オタク”を目指そう!

厳しい制約の中でも高い成果を求められるプロマネの世界。変化の早いIT業界で、技術力だけを武器に生き残るには困難がつきまとう。30代、40代をIT業界で生き抜くには、どのようなスキルやマインドが求められるのだろうか……

(取材・文 / 中村京介)

クライアントからのプレッシャー、厳しい予算。そして、上司やクライアント、チームメンバーとの狭間で押しつぶされそうになっているプロマネ……。「いろいろなしがらみに巻き込まれるよりも、スペシャリストとして、技術一本で食べて行きたい」。そう考えたことのあるエンジニアは少なくないのではないだろうか。しかし、そこは目にもとまらぬほどのスピードで技術が移り変わるITの世界……。現実はそう甘くはない。

「技術だけで進んでいければいいですけどね。30代前半で技術についていけなくなり、いきづまる人は多いですよ。IT業界の技術は移り変わりが速いからどこかでストップがかかる。35歳くらいになると体力も落ちてくるので、徹夜明けにピンピンして出社することもできなくなってきますしね。そのことに35歳になってから気がついても、転職は難しいですから」とITコンサルタントの山崎慎一氏(仮名・35歳)は警告する。

クライアントを惑わす“技術オタク”ぶり

「一般のビジネスマンとしての素養がないと、コンピューターの専門知識だけでは生き残れない時代。1日1万行のプログラムが書けても、それはただのプログラマーに過ぎません。クライアントと打ち合わせをして議事録を書き、マニュアルやドキュメントを書く。これらの成果物がきちっと書けて、それを説明できてこそ技術者だと思います。個人的には、クライアントと話せない人は技術者とは認めたくないですね」

実際、クライアントときちんとコミュニケーションのとれないエンジニアに、相手が困惑する場面も少なくない。

「今私が担当しているプロジェクトに、あるベンダから応援で2人来てもらっているんですけど、そのうちの1人がコテコテのエンジニア。製品の機能の詳細について専門用語を使ってひたすらクライアントに説明するんです。それは違うだろうと……。工場のオジサンや現場のお兄さんにそんな話をしても、まったく意味がない。先方が聞きたいのは、その製品を使って、どういう業務が実現できるかであって、そんな細かい技術の話なんて聞きたくない。その感覚がスッポリ抜け落ちているわけですね」

「技術」と「業務知識」あれば30代後半でも生き残れる

もちろん、技術の知識がいらないというわけでは決してない。例えば、コンサルティングファームには、業務には精通しているが、技術知識がない、ITにも詳しくないという人が結構いるものだ。中には、「ERPなんて、業務知識あればうまく回るだろうと勘違いしている人もいる」という。

「元銀行員の人を教育して、SAPやとかOracleの製品を教え込んだけどダメだったという話はよく聞きますよ。やっぱり、業務要件やシステム要件を固め、システムをデザインしてプログラムを書き、テストするという一連のプロセスを経験していないと、コンピュータシステムって導入できないんじゃないかなと思うことはありますね。技術から業務まで一通り理解しておく必要があると思います」

重要なのは「技術」と「業務」をバランスよく知っていること。上の例のように技術を知らなすぎるのはもちろんダメだが、「技術一辺倒でも、IT業界では生き残れない」ことを心しておかなければならない。

「SAPやOracle製品の場合、むしろクライアントの方が詳しく知っていることもある。『こういう機能を追加すれば、こういう業務が実現できるのでは』など、先に言われちゃうこともあるんです。自分たちのような現場の人間が負けているんですよ。人事でも会計でも生産管理でも、『この製品のこの機能を使うと、業務の流れはこうなります』というように、技術・業務両面で説明できるスキルがあれば、ITエンジニアとしては最強ですね」

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