「人事マンが語る“人気職種”採用現場のホンネ」 徹底討論「こんなやつはいらない!!」 〜経理/財務編(前編)〜 「人事マンが語る“人気職種”採用現場のホンネ」 徹底討論「こんなやつはいらない!!」 〜経理/財務編(前編)〜
就職活動を始めると「書類が通らない」「面接でうまくいったと思っても採用に
至らない」など、悩みは尽きない。「未経験者歓迎のポテンシャル採用ってどこを見ているの?」といった疑問もあるだろう。そこで、有名ベンチャー企業と上
場企業の人事マン2名に協力してもらい、欲しい人材像について対談してもらった。今回は、企業にとって重要なお財布を握る「経理職」と株式の発行や銀行融資による資金調達・投資などの資金開発などを行う「財務職」についてみていこう。 「人事マンが語る“人気職種”採用現場のホンネ」 徹底討論「こんなやつはいらない!!」 〜経理/財務編(前編)〜
「信頼できる人間性と実務経験」がカギ

書類選考の時点では資格があれば未経験でも通る

ベンチャーWebサイト企業 管理部 人事マネジャー 山口隆行

前職は人材コンサルタント。多くの転職希望者を内定に導いた後、財務部門で活躍。 その後、友人に誘われ転職。前職で得た経験から転職希望者の立場を考慮したアドバイスは的確だと評判

中野 営業などと比べると、経理は求められるスペックがはっきりしているので、ある意味で採用はシビアです。

 

山口 それは言えると思います。経理職は、“潰し”がきくイメージがあるので人気が高く、未経験者がキャリアチェンジで応募してくるケースもあります。ただ、ウチの場合、教育する余裕がないので、どうしても経験者採用にならざるをえないですね。

 

中野 第二新卒なら、簿記2級程度の知識があれば、採用するかもしれませんが、20代後半になれば最低限、月次決算、30歳代であれば年次決算業務や税務申告、それも単体ではなく連結での実務経験がほしいですね。公開企業だと、有価証券報告書などの開示資料の作成経験もあると嬉しいです。

 

山口 キャリアチェンジを狙う人には、簿記や税理士など経理系の資格が“パスポート”になると思っている人がいます。面接でも、そのことをすごくアピールしてくるのですが、経理で一番重要なのはやはり実務経験だと思います。例えば20代で税理士の資格を取得したというのであれば、ポテンシャル採用の可能性はありますが、経理経験のない35歳の人が税理士の資格を取ったからといって即採用に至ることはないでしょうね。

 

中野 税理士や公認会計士の難関資格を取得していれば、知識があり、努力家でもあるとマインド面で当然評価できますし、採用の可能性は資格を持っていない人よりも高くなります。ただ、仮に採用されたとしても、実務経験が伴っていないと、当社では給与水準は低くなってしまうでしょうね。

 

山口 我々のようなベンチャー企業が求めているのは即戦力なんです。いくら資格を持っていても、経験がなければ実務レベルが未知数である以上、採用の決定打とはなりません。もちろん、中野さんがおっしゃったように、知識や努力の部分は評価の対象になります。少なくとも書類審査の上では間違いなく有効打になりますね。

 

中野 特にまだポテンシャルを評価してもらえる若い方であれば、資格は有利ですね。難しい資格をとることは、まさにポテンシャルの証明ですね。

 

山口 ただ、ポテンシャル採用をする場合には、知識や資格以上に、仕事への適性があるかどうかに注意を払います。もちろん、「几帳面」「数字に強い」といったコンピテンシーも重要なのですが、一番重視するのは「信頼感」や「誠実さ」といった人間性です。経理は言うまでもなくお金を扱う部署であり、残念ながら横領、着服などの不祥事も少なくありませんから。

 

中野 特に大企業は不祥事が表沙汰になるのを嫌うので、マスコミ報道される事件は氷山の一角のはずです。ですから、知識は多少劣っていても、人間として信頼できる人が優先的に採用されるケースはありますね。そうはいっても、ただ机に向かってコツコツ業務をこなすだけのタイプでも困ります。大企業では、監査法人への対応もありますし、税務調査が入れば、課税当局とタフな折衝をしなければなりません。論理的な頭脳を持ったネゴシエーターでないと、一人前の経理マンにはなれないと思っています。

経理未経験者にも門戸を開く財務部門

一部上場商社 人事部部長 中野真利子

大学卒業後、大手商社の経理部門で活躍。現場担当者として新卒採用に携わったことで採用活動への興味がわき、人事部へ異動。現場で得た知識を糧に説得力のある説明で信頼を得ている

山口 同じ経理系でも、財務部門はちょっとカラーが違いますよね。財務部門は他の経理系よりジェネラルというか……。

 

中野 求められる知識としては共通のものが多いですし、数字に強いコンピテンシーもかなりの部分で重なるのですが、当社の場合、経理の方が“職人”で、財務はより“経営者”に近いというか、もう少し上流の部分を担う棲み分けができています。財務部門には、日本の公認会計士、米国公認会計士の資格を持っている者が各1人ずついますし、MBA出身者も2人いて、経理部門よりも少し洗練された雰囲気です。もちろん、経理から異動した者も多いですが。

 

山口 未経験者にとっては財務部門の方が転職しやすいのかもしれません。ウチの例でいうと、財務部門で資金調達や運用に絡む業務の担当者として、経理経験がない金融業界出身者が中途採用されたケースがありますよ。

 

中野 財務の場合、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)を見て企業の財務状況や資金の流れを把握・分析する能力が求められます。公認会計士、税理士、MBA取得者、外資系企業経験者、米国公認会計士は知識をダイレクトに生かせますね。そういう意味で、財務部門では、未経験者が採用される確率が経理よりは高いと思います。もちろん、経理と同様、資格を持っていれば即、実践できるわけではありませんが、経理よりは求める「経験」のバリエーションが広いといえるでしょう。

 

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