ボキャブラリーを効果的に増やす方法とは?(2/2)

シチュエーションごとに単語を記憶する

篠崎氏は多くの日本人と同様にボキャブラリーの蓄積にはかなり苦しんだようだ。四苦八苦の末、独自の単語記憶法を考えた。それは文章の中で単語を記憶する方法だ。文章といっても、よく単語集にありがちな、短い例文ではない。10行程度で、1つのストーリーを構成しているものだ。逆に、ダラダラと長すぎるものは、会話のシチュエーションを記憶できないので不適当だという。

「『この単語は、あのシーンで使われていたな』と思い出せるようになれば、それは英単語が頭にしっかりと定着した証拠」と五十嵐氏は断言する。

最近は、文脈の中で単語を記憶させることを目指す単語集も販売されている。五十嵐氏がオススメの単語帳は、「戦略的TOEFLテスト・ボキャブラリー」(SSコミュニケーションズ刊)。ただ英単語とその意味が羅列してある旧来型の単語集とは異なり、文章を読ませ、その中で単語を記憶させることに主眼を置いている。1つの文章の長さも10行程度と適当で、話が完結している。

「ただ、日常会話のシーンが少ないという難点があるため、NHKのラジオ英会話などで補う必要がある。両方をうまく活用すれば、安価だがかなりの効果が期待できる」(五十嵐氏)という。

教材を使う時には、必ず音も一緒に聞こう。付属のCDなどを活用して、これを繰り返し聞く。聞くだけでなく、自分でマネして話してみる。この時に重要なのが、「会話のシーンを頭の中でイメージしながら話してみる」(篠崎氏)ことだ。これを何回か繰り返しているうちに、英会話の言い回しがシーンとともに記憶に定着する。できることなら、似たようなシチュエーションに出会った時に、テキストの中で覚えた言い回しを使って見るといいだろう。

「実際に日常生活の中で英語を使ってみると、記憶はしっかりしたものとなり、忘れにくくなる」と篠崎氏は強調する。もっとも、外資系企業にでも勤めていない限り、実際に英語を使う機会はそう多くはないだろう。そこで、お勧めするのが「イングリッシュやアイリッシュ系パブ」(五十嵐氏)だ。都内にはこの手のパブがたくさんあり、店内はアメリカ人やイギリス人があふれている。

「日本に帰ってきてから、英語を話す機会を確保するために、ちょくちょくこの手のパブに飲みに行っています。日本人の友達を作りに来ている外国人も多いので、思い切ってしゃべってみれば、意外と簡単に友達が作れます」(五十嵐氏)

聞き取りのプロセスは日本語と同じ

ここまでボキャブラリーの身に付け方についてみてきたが、勘違いしないでほしいのは、リスニングは、単語を1つひとつ完璧に聞こうとする必要はないということ。重要なのは、キーワードを効率的に聞き取ることであって、一語一句にこだわりすぎると、全体の意味をとらえられなくなってしまうからだ。

これは日本語を聞くプロセスとまったく変わらない。普段、自分が日本語で会話をしている時を思い返してみよう。決して一語一句に神経を集中して聞き取りをしていないはずだ。話し手の会話の中から無意識のうちにキーワードを拾い、話全体の意味をとらえている。英語が聞けないのは、「このキーワードのとらえ方に慣れていないから」(篠崎氏)なのだ。

実際、“英語社会”に入ると、一語一句完璧に聞き取ることは不可能であることがわかる。話し手によっては、キーワードを拾うのがやっとという経験をするはずだ。「教材やキャスターのように綺麗な英語を話してくれる人の方がむしろ少ない」(五十嵐氏)ということを知る必要がある。次回はこの点から話を始めよう。

英語学習のポイント

  • ボキャブラリーを増やすには、会話のシーンで覚える
  • 一字一句をすべて聞く必要はない。 キーワードをとらえよ
  • 外国人の集まるパブなどで会話を実践

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