英語学習に終わりはない(1/2)

英語は世界の共通語である。だが、国や地域によって方言や訛りがクセが存在し、同じネイティブ同士でも意思疎通が難しくなることは多い。単語や文法やなど、元来すべてにおいてノンネイティブである日本人にとって、英語をマスターするまでの道は険しいのだ。

取材・文 / 中村京介

世界共通言語だからこその難しさ

「世界の共通語」といわれる英語。このことが意味するのは、英語はさまざまな地域の人によって話される“なまり”のある言語だということだ。英語学習に、ネイティブの英語が吹き込まれたCD教材などは必須アイテムだが、それらに入っている英語はたいていキレイすぎて、実践ではなかなかお目にかかれない。 CDが聞きとれたからといって、「英語が聞けるようになった」と思うのは早いのだ……。

疑問7 キレイな発音の英語を繰り返し聞けばヒアリング力が身に付く?

「ヒンズー英語」は理解困難だが「日本人英語」は聞き取りやすい

ITの世界でますます存在感を増すインド人。シリコンバレーにインド人のエンジニアがあふれているように、日本のITエンジニアも、インド人と仕事をする機会が増えてきている。言葉は当然、世界の共通語である英語。インド人にとって、第二公用語である英語はお手の物だ。彼らは英語を完璧に理解し、母国語のヒンズー語と同じスピードで読んだり、書いたりすることができる。そして、もちろん彼らは英語を話すこともできる。しかし、日本人などノンネイティブにとって、インド人の英語は相当にやっかいだ。

「留学中、たくさんのインド人に出会いましたが、人によっては、英語が全く聞き取れませんでした。彼らはヒンズー語を話すのと同じ口調で英語を話すので、まるで別の言語に聞こえるのです」(篠崎氏)

インド人に限らず、英語のネイティブスピーカーでない者が英語を話せば、発音や口調はどうしても母国語の影響が色濃く出るものだ。よく「日本人英語」などと言われるが、確かに日本人の話す英語は抑揚がなくて、発音もまるで「カタカナ」を話しているようだ。

従って、「日本人がしゃべる英語ほど、日本人にとって聞きとりやすい英語はない」(篠崎氏)ということになる。日本語の口調、発音をベースに英語を話しているのだから、それも当然というものだ。

ネイティブ以外は 母国語の発音を引きずる

一方、こうした日本人英語は、時として外国人には聞き取りにくい。

「例えば、締め切りという意味のdeadlineという言葉を何度『デッドライン』と発音しても通じなかった経験があります。たいして難しい単語でもないのに、何で通じないのか不思議でした。どうも『d』の発音が強すぎたことが原因のようです。日本人はdの発音が苦手ですからね。結局通じなかったので、『submission date(提出日)』と言い直しましたが(笑)」(五十嵐氏)

もちろん、逆のケースも頻繁に起こる。篠崎氏はフランス人の友達が発音する「ダタ」という言葉の意味が理解できなかったことがある。

「何か難しい単語を使うなあと思っていました。文脈から判断すると、『data(データ)』と言いたかったということがわかりました。ダタじゃ、さすがにわかりませんよね(笑)。それから、アフリカ出身の友達と、自分の会社の話をしていると、『コレーゲ』という単語が出てきた。その友達は、『college (カリーグ・同僚) 』と言いたかった。皆それぞれ自分の母国語の発音のクセがあるから、こういうことがしょっちゅう起こります」

五十嵐徹夫氏
(仮名・38歳)
現在、ITベンチャーで役員を務める。30代後半で欧州の有名大学のMBAを取得。35歳をすぎてから英語学習を始めた経験から、「英語が苦手な人の立場に立って、勉強方法のアドバイスをしたい」と話す
篠崎亮氏
(仮名・34歳)
友人と設立したITベンチャーでは社内システムを担当。現在は大手ITベンチャーの事業企画部シニアマネジャーを務める。かつて国内メーカーで子会社事業の再生を担当した経験、さらに米国へのMBA留学経験から、ITのみならずマネジメント知識も豊富という貴重な人材

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