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就職の道を捨て、1%に賭けた「王様のブランチ」のレポーターという選択

「歌が好きだという気持ち」が唯一、私の未来を引っ張っている気がします
「歌が好きだ」という気持ちが唯一、これまでの私の人生を引っ張ってきた気がします

 そんなとき、ライブハウスで歌っているところをスカウトされたんです。そして勧められたのが、「王様のブランチ」のレポーターのオーディションでした。タレントなんて全然考えていなかったので最初はビックリしました。でも、オーディションを受けられる機会なんてそうそうないですから、受けるだけ受けてみようと。大学3年生のときでしたね。

 大学3年生というと就職活動で周りがワサワサし始めて、私も「いつまでも歌手なんて途方もない夢を追いかけている場合じゃないかな」と諦め始めていた時期。だから、王様のブランチの話と平行して就職活動もしていました。実はある大手企業の最終面接まで進んでいたりもしたんですよ。

 周りは安定した企業就職の道を選びなさいと言っていましたね。それはもう、10人中10人が。天邪鬼なのかな。勧められれば勧められるほど、「別に私は安定を求めているわけじゃない」と意地を張っちゃって。

 正直なところ心の中では揺れていたんですけどね。でもちょうど企業の最終面接が予定されていた前日に、王様のブランチのオーディションに合格したという知らせが来たんです。「これは神の思し召しだ!」と、人生初のギャンブルを決意しました。

 就職していたとしても、それはそれで楽しかったと思うし、選択として間違っていなかったとは思うんです。でも、私はあまりにも歌うことが好きだった。どんな業種を選んだところで、最初は楽しくても、2〜3年後には歌への禁断症状が出るはずだという確信があったんです。企業に就職してしまえば、将来歌える可能性はゼロですが、芸能界でお仕事をしていれば、望みはつながるじゃないですか。

 それでも当時、レポーターから歌につながる可能性があったかというと、それは1パーセントもあるかないかだったと思います。でも、その1パーセントに賭けてみようと思った。過ぎた話だからこんなふうにカッコ良く言えますけど、今思えば、向こう見ずな選択だったと思いますね。

オーディションの倍率は5000倍「こんなの、絶対に受かるはずない!」

 私の初舞台はミュージカル『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役。実は、恥ずかしながら、『レ・ミゼラブル』のオーディションを受けるまではミュージカルを見たこともなくて、ミュージカルがどのようなものなのかもよく知りませんでした。なので事務所から「オーディションを受けてみない?」と言われた時も、「えっ、ミュージカル? 私、踊れませんけど……」ってキョトンとしていました。

 『レ・ミゼラブル』について調べて行くうちに、ミュージカルを観る人なら知らない人はいないほどの名作であることや、日本を代表するミュージカル俳優が出演している超人気作であることが分かりました。主要な役柄のオーディションに受かるのは5000人に1人。「そんなの絶対に受かりっこない」と思っていましたね。

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