ハイエッジ 第一回 新妻 聖子ハイエッジ 第一回 新妻 聖子

“いい格好しい”の意地でつかんだミュージカル女優への切符

ミュージカル「マリー・アントワネット」の製作発表でマルグリット・アルノー役が歌う「100万のキャンドル」を熱唱!
製作発表で熱唱する新妻聖子

 オーディションはなんとなくファンティーヌという母親役で受けるつもりでいて、その役の課題曲を練習して行ったんです。でも、オーディションの場で「君はまだ母親役の年齢じゃないでしょう」と言われて(笑)エポニーヌという若い娘役が歌う『On My Own』という歌の楽譜を手渡され、「明日までにやってきて。1日しかないから、歌詞も覚えなくていいし、歌い方は島田歌穂さん(※)を参考にしていいから」と言われたんです。

 そうなると、"いい格好しい"の私としては燃えましたね。1日でド素人の私がプロ並みの表現力を身につけることは無理ですが、歌詞やメロディーなら覚えることができます。できることはやろうと、「意地でも覚えてやる」って心に決めました。初めて耳にする曲で設定もよくわからなかったけど、私なりの解釈で歌ってみようと。翌日、何も見ないで歌い切ると、審査員の方が「よく覚えたね」とビックリされていました。

 それが鮮烈な印象を残したのか、本当にオーディションに受かってしまった。「これは大変なことになった……。島田歌穂さんや本田美奈子さんの演じた役をこの私が?」と信じられない思いでした。

 オーディション合格から数ヵ月後のレ・ミゼラブル製作発表で、課題曲だった『On My Own』を一人で歌わせて頂きました。生まれて初めて大勢の人の前で歌った、私にとっては"人生初の舞台"です。周りの人が心配するくらいに緊張していましたが、エポニーヌの気持ちになりきって一曲披露できたことで、自分の中に何かが生まれました。全然確かなものではなかったんですが、これが「表現する」世界への入り口だったんじゃないかなと思います。

※島田歌穂:1987年の『レ・ミゼラブル』日本初演からエポニーヌ役を長年演じ続けた。また、英国主催『ロイヤルバラエティパフォーマンス』に日本の俳優・歌手として初めて招待され、エリザベス女王の前で『On My Own』を披露した。

文:中村京介
撮影:岩谷 薫

新妻聖子 プロフィール

■プロフィール
大学在学中に出演したライブで芸能事務所にスカウトされ、2002年1月にTBS土曜昼の情報番組「王様のブランチ」でレポーターとして芸能活動を開始。 その後2003年夏に東宝ミュージカル「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役で初舞台を踏み、続いて「ミス・サイゴン」のヒロイン・キム役を演じる。2006年3月には第31回 菊田一夫演劇賞を受賞。2006年11月に開幕する話題の新作ミュージカル「マリー・アントワネット」で は、マルグリッド・アルノー役を演じる。新妻聖子オフィシャルサイトでは、ほぼ毎日ブログを更新中!


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