“メジャー”への道を歩き出した若手のホープたちをフォーカス。
これまでのキャリアと将来の夢、そして彼らが飛躍したと実感し たその瞬間に迫る


楽しい未来を想像しながら周りの期待に応えたい

『ミス・サイゴン』のキム役が転機

 ミュージカルの世界に入って苦労したことは山ほどあります。それまでは大勢の人の前で歌ったこともなければ、本格的なレッスンを受けたこともありませんでしたからね……。難しい曲を歌いこなすだけでも大変なのに、触れたこともなかった“演技”にも同時に挑戦しなければいけない。越えるべき壁はたくさんありました。

 きちんと“演技”を意識できるようになるまでには、だいぶ時間がかかりました。正直、初舞台の『レ・ミゼラブル』ではまだ演技というものをよくわかっていなかった気がするんです。ただ、『レ・ミゼラブル』は台詞がすべて歌でつづられ、小節数で“間”も綿密に決められている。それが私にとっては幸運だったんですよね。自分で“間”を調整する必要が無いので、音楽の力に頼る部分の多い舞台でした。

 芝居を本格的に意識し始めたのは、『ミス・サイゴン』からですね。ヒロインのキム役を演じたことが、私にとっては大きな転機となりました。初めて『ミス・サイゴン』のCDを聞いたときから、この作品にビビッときて、「なんて素敵な曲なんだろう。絶対にこのキム役を演じたい!」と思ったんです。熱意はたっぷりでオーディションを受けに行ったんですが、完全にダメ元でしたね。だって、キムは主役ですよ。物語も彼女の目線で進行していくし、ずっと出ずっぱりで、歌う場面もすごく多い。

 心のどこかには、「きっと有名な女優さんがやるんだろうな」と諦めもあって、一方で、「たとえ代役でも、この役をどうしても演じたい!」と、キム役への思いは強くなるばかりでした。だから念願が叶ってキム役をもらえたときは本当に嬉しかったですね。「私が松たか子さんと同じ役? ウソでしょ? 夢じゃない?」とすぐには信じられませんでした。

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