ハイエッジ 第四回 武田双雲ハイエッジ 第四回 武田双雲

「上手」と「感動」を共存させたい

武田双雲

 僕は、自分がアーティストとしていかに満足できるかよりも、僕の作品を見た人がどう感じるかの方が大事です。文字は線の集合体に過ぎません。映画のように面白いストーリーがあって、さまざまな俳優が出てきて、壮大な音楽があって……という世界とは違い、この線の角度を50度にしたからといって感動に至ることはありません。

 書はスピリチュアルな世界。見る人と僕の人生が重なり合わないと、共感してもらえないと思っています。

 僕より字がうまい人は世の中にたくさんいます。でも、字がうまいことと、人を感動させることとは別次元の話。歌がうまいミュージシャンに必ずしも感動するわけではないでしょう。でも僕は欲張りなので、「上手」と「感動」の両方を備えた作品を書いていきたい。そのためには、今の“瞬間”を大事に、何事も全力で取り組むしかないと思っています。


文:中村 京介/撮影:岩谷 薫

武田双雲 プロフィール

■プロフィール
武田双雲
3歳から書道家の母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。東京理科大学卒業後、NTT東日本(株)で2年半のサラリーマン経験を経て、26歳で書道家として独立。現在は湘南のアトリエで新しい形の書道教室を開き、約200人の門下生に教えている。 また、パフォーマンス書道やさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など独自の創作活動も展開している。さらに、オンラインショップ「ふで文字や.com」の運営、ロゴや表札などのデザイン、映画の題字や雑誌の表紙、商品デザインも手がけるなど、今、日本で最も人気の書道家。2003年には、書の殿堂として名高い上海美術館より龍華翠褒賞を受賞。同年イタリア・フィレンツェにて、コスタンツァ・メディチ家芸術褒章も受章した。
双雲公式サイト 公式携帯サイト


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