ハイエッジ 第五回 所英男ハイエッジ 第五回 所英男

好きなシゴトに取り組める“幸せ”

所英男

 試合が始まる前、会場に着いて出番を待っている時に、「自分は何でこんなに恐いことをやっているのだろう」と思うことはあります。負けることへの恐怖もあるし、もちろん殴られた時の痛みやケガに対する恐怖もあります。でも、恐怖感以上に、今好きなシゴトに取り組んで食べていけることはすごく幸せだと思います。

「今はいいけど、歳をとったらどうするの?」と聞かれるとちょっと辛いですけど、今自分がどこまでできるかで将来も変わってくると思うので、その「今」をガンバるしかない。僕はまだトップに立っていないので、「守り」に入るという考えはあり得ない。掃除のアルバイトをしていた頃に比べたら、ちょっとはいい生活ができるようになりましたが、お金がなかった時期も今も、負けた時の悔しい気持ちは何も変わらないですね。

 将来は、ヴォルク・ハン選手(※4)と田村潔司選手(※5)を足して2で割ったような格闘家になりたい。華があって試合も面白くて、勝っても負けてもファンに“感動を与えられる”試合をしたいですね。

※4 ヴォルク・ハン:ロシアの軍人、総合格闘家。旧ソ連ロシア内のダゲスタン共和国出身。ヴォルクはロシア語で狼の意。本名はマゴメトハン・ガムザトハノフ。自らが培った技術、経験からコマンドサンボをベースに、ボクシング、ムエタイ、レスリング、柔道などの技術を取り入れ、オリジナルの格闘術を考案。より総合格闘技の攻防に特化したスタイルを確立した。

※5 田村潔司:岡山県岡山市出身の総合格闘家。1996年にUWFインターナショナルからリングスに移籍。6月のディック・フライ戦でリングスデビュー。 リングスでは順調に勝ち星を重ね、前田日明の引退後はエースとして活躍。「回転体」と称されるスピード感溢れる試合でファンを魅了した。現在、U-FILE CAMP.com所属。


文:中村京介/撮影:白井智

所英男 プロフィール

■プロフィール
所英男
岐阜県出身の総合格闘家。「小さなヴォルク・ハン」「リングの魔術師」「名勝負製造機」などの異名を持つ。現在、チームゼスト所属。休むことを知らないアグレッシブなファイトが特徴で、試合は大変面白いと定評がある。特に寝技主体の選手とは勝敗にかかわらず名勝負を展開する。


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