ハイエッジ 第六回 上原ひろみハイエッジ 第六回 上原ひろみ

バンドディレクターとしてメンバーの力を引き出す

上原ひろみ

 かつては、「ピアニストとしてこうなりたい」と思って、自分と向き合うことしかしてこなかったのですが、『Sonic Bloom』を組んでからは、バンドディレクターとして、メンバーにいかに良い演奏をしてもらうかと考えるようになりました。

 今、私を含め4人でバンドを組んでいるのですが、メンバーの心理状態は演奏にも影響するので、ツアー中はどうしたらみんながもっと楽しめるのかを考えています。これは三者三様。その人は何が好きで何が好きじゃないか、機嫌の悪いときは放っておいてほしいのか声をかけてほしいのか、演奏が良くなかったときに、けなす方が伸びるのか、演奏が良かったときにホメる方が伸びるタイプなのか、など常に観察するようにしています。

 もちろん、みんなに気持ち良く仕事をしてもらうには、自分自身が人間としてきちんとしていなくちゃいけない。イライラしている気持ちを抑えたり、疲れていてもメンバーに気を配ったり……。こういうことが自然にできるような人になりたいですね。今は未熟で、メンバーとぶつかることもありますよ。でも、うまくいかないながらも努力を重ねることで“人間力”が鍛えられていると感じます。より納得できる音楽を作るためには、人間として立派になっていかないといけないんでしょうね。


文:中村京介/撮影:岩谷薫/ヘアメイク:神川成二

上原ひろみ プロフィール

■プロフィール
上原ひろみ
ニューヨークを拠点に活躍する静岡県出身のジャズピアニスト。6歳からピアノを始め、ヤマハ音楽教室で作曲も学ぶ。17歳の時にチック・コリアと競演。1999年バークリー音楽院に入学。在学中にジャズの名門テラーク・レーベルと契約し、2003年『Another Mind』で世界デビュー。同年5月バークリー音楽院を首席で卒業。その後04年4月『Brain』、2005年10月『Spiral』、2007年2月『タイム・コントロール』をリリース。今秋、Hiromi's Sonicbloom「タイム・コントロール 日本ツアー」がスタート。


ソーシャルブックマークに登録 このページをYahoo!ブックマークに登録 このページをdel.icio.usに追加

▲ページのトップへ