プレゼン、面接、会議……
強いキャリアを創るためのホンネ対談
おちまさとプロデュース「偉人伝心」
〜あなたのシゴトに効く! プロフェッショナル仕事術〜

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ヒットの法則をロジックで解析

王道ほど緻密な計算が必要
大変な分、成功率は高い
(五味一男)
おち

テレビに分計(※8)を持ち込んだ人だのが五味さんですよね。

五味

みんな平均視聴率だけで、そこまで気にしていなかった。視聴率が悪くても視聴者のせいにしてね。「それはおかしいんじゃない?」って思っていました。

おち

ほかにも、20時からの番組を5分前からフライングで始めれば視聴率が上がるとか、クイズ番組で解答の前にCMを入れるとか、発言に字幕スーパーを入れるとか。今となっては当たり前のことを初めてやった元祖ですけど、当時、反対されたんでは?

五味

そりゃ、タタかれましたよ。「テレビはこうあるべき」みたいな保守的な人たちに「勝手なことするんじゃない!」という感じで。でも、番組の始まりが20時ピッタリでなければいけない決まりなんかないでしょう。そうしたら、いつの間にかタタいていた人たち自身もやるようになっていましたけどね。

おち

非常識が常識に変わった瞬間ですね。僕なんかは目ざといから、五味さんがそういうことをやり始めると、すぐに便乗していましたよ(笑)。多分、僕が一番最初に五味理論を吸収してたんじゃないかな。逆に「何でみんなやらないんだろう?」って不思議だった。僕は伸びるためには、余計なプライドがないので(笑)。こういったアイデアってどこから出てくるんですか?

五味

僕のアイデアはアーティスティックにひらめくものではなくて、どちらかというとサイエンスに近くて、詰めて詰めて導き出されるものなんです。例えば、音楽が冬の時代に、一方では昔の曲がたくさん登場する紅白の視聴率が50%あったとしたら、昔と今のランキングを同時にやる番組を作ろうというアイデアが出てくる。それでできたのが『速報!歌の大辞10』(※9)。

おち

バラエティを科学したのは間違いなく五味さんですよ。テレビの特性を一番よくわかっていて、それを踏まえて番組を作っていますよね。まさに方程式を解いていくような感じ。だから、ハズさない。とはいえ、フライングで番組を始めたり、五味さんのロジックを上辺だけ真似したところで視聴率がついてくるわけじゃないっていう……。

五味

王道の作品ほど緻密な計算をしないと作れないんですよ。スピルバーグの映画なんかがその典型で、実はものすごく理論武装しているでしょ? 観る人にそれが分からないようにしているだけ。むしろ、芸術作品の方が感性だけで個の世界を表現するので楽なんですよ。計算しながら作り上げていくのは大変だけど、ビジネスとしてやる分にはそっちの方が成功率は高くなるんです。最初に、打率の話が出たけど、1本のヒットを打ったら何点入るかっていう打点も大事。視聴率以外のビジネスも考えないと。

おち

SHOW by ショーバイ!!の番販(※10)圧倒的No.1ですからね。だからこそ逆に、僕は五味さんのキューブリック的な番組を見てみたいんですよ。

五味

もしやるなら、テレビってフレームワークをハズしてやってみたいよね。

※8  1分ごとの視聴率グラフ。各分の00秒で測定する。瞬間視聴率とは、ここで出た数値のこと

※9 1996年10月〜2005年3月まで日本テレビ系列などで放送された音楽情報バラエティ。「歌でつなごう、時代と時代」「歌でつなごう、昭和と平成」がテーマ。最高視聴率26.8%

※10 番組販売の略で放送番組を海外に販売すること。アニメの著作権料やCMスポンサー料と同様にキー局や制作会社の重要な収益源

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