告白シリーズ 採用の裏側を現役担当者がバッサリ!

人事マネジャーの告白 強烈な「学習欲」と「開発欲」をアピールしよう!(1/2)

社員1人当たりが叩き出す利益が2億円。この超優良IT企業を支えるのが、優秀なエンジニアだ。企業の生命線ともいえるシステムを「自前」にこだわり、成功している同社。それは、エンジニアへの深いコミットメントと低い離職率だからこそ実現できるものだ。人事部長を務める清水和弘さん(仮名・34歳)に、採用戦略から“エンジニア論”、マネジメント法まで、話を聞いた

疑わしきは、上っ面だけの履歴

最近はウチの会社もそれなりに有名になって、自社HPを通じての応募も多くなってきました。それに伴って、僕らも限られた時間でなるべく優秀な人材を採用するために、できるだけ履歴書から多くのものを読み取るようにしていますね。

例えば、技術のアピールの仕方。WordのようなワープロソフトとTCP/IPのようなスキルを並べて書いている人がいますが、これはNGです。

本当にTCP/IPを知っているのだったら、Wordと並列に書くのはおかしい。むしろ、「この人の技術って大したことないんだろうな」と思われてしまう可能性があるので、やめるべきです。

履歴書の経歴を見れば、だいたいウチの会社でやっていける人かどうかの判断はつきますね。ウチで成功した人と、うまくいかなかった人の事例が頭にインプットされているので、経歴が似た人同士を比較すれば、ある程度その人の将来は予想できるんです。

もっとも、履歴書には何でも書けますから、やはり最終的には会ってみないとわかりません。平気で嘘を書く人もいますしね。例えば、Oracle Masterの資格を持っていると書いておきながら、面接してみると「今勉強中です」とか。こういう人は、技術うんぬん以前に、人として信用できない。当然落とします。

“90分勝負”の面接で能力を見抜く

また、面接をしてみれば、その人のレベルをもっと正確に把握できます。こちらとしても採用してしまってから「ハズレでした」というのはまずいし、それは本人にとっても良くない。だから面接はトコトンまでインタビューします。

具体的には、だいたい90分くらいかけて、技術的な視点から聞きまくりますね。「こういう技術的な問題が起きた時にあなたならどうするか」とか、ウチのエンジニアにいろいろ質問させるんですよ。

もちろん、質問に対する答え方はいくらでもありますが、そこでどう答えるかでだいたいその人のスキルはわかります。実際、面接官の評価はだいたい一致しますしね。

技術に飢えた人材の採用が肝

新たな技術、新たな知識を手に入れようとするには、本能から来るハングリー精神や闘争心も必要

僕はこの会社の立ち上げ時から採用担当をしてきましたが、当初から“日の当たらない”エンジニアをたくさん採用していました。「日の当たらない」というのは、真面目で実力もあるのに、組織の中では評価されにくいポジションや役回りに甘んじているという意味です。

創業メンバーは、現状に満足できず、会社を立ち上げたんで、彼らの気持ちがよくわかります。現在、課長や次長に引き上げられている連中は、だいたいその時に採用されたメンバーです。それまで実績はあげていないけれど、エンジニアとしての潜在能力は高い、そんな連中がウチの会社には集まっています。

彼らに共通しているのは、みんな技術に飢えていることです。昔、SIerとかでサーバ管理者とかをやっている中で、「自分はもっとシステムを作りたいんだ!」と渇望していたんですよね。

要は、雑誌を読んだだけの“にわか知識”で何かを作って満足するようなタイプではなく、ベーシックから作り込みたいというタイプの人たちなんです。その意味では、オタクと言えるかもしれない。

でも、他社がモノマネできないサービスを提供するためには、こういう“オタク的”な人材が絶対に必要なんです。ウチが自社開発にこだわっているのは、外注していたら他社と差別化できるサービスなど開発できないという考えが根底にあるからです。その意味でも、オタクだろうが何だろうが、「ここでこれを作りたい」という強い思いを持っている人、そういうエンジニアに魅力を感じますね。

金融系Eコマース企業
人事部長 清水和弘氏(仮名・34歳)
SIerのSEだったが、2000年、知人が自社独自開発のシステムを武器とする金融系ECサイトの立ち上げに参画。設立メンバーの1人として、開発から採用まですべてをこなす。2004年の上場をきっかけに人事部長に。会社に対する熱い想いだけではなく、技術者や開発者の気持ちが分かる人事として、同社になくてはならない存在として活躍している

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