告白シリーズ 採用の裏側を現役担当者がバッサリ!

人事マネジャーの告白 IT人材がキャリアアップできる会社とは?(2/2)

社員の「能力別」にキャリアパスを用意する

このケースをきっかけに、最近、人事制度を見直しました。やはり、技術力が高くても人のマネジメントが不得意な人はいます。エンジニアとして腕が立つことと、人の面倒を見るのがうまいということが必ずしも両立するわけじゃないということに、今さらながら気付きました。

例えば、「Aさんはトラブルが発生しない性能のいいコンポーネントを作ることができる」、「Bさんは外部との折衝がうまい」、というように個々の能力別に社員を評価していかなければ、強い組織を築けないと考えたわけです。

そこで、マネジメントが得意な人にはその道を歩んでもらう一方、スペシャリストとして自分の得意分野に進みたい人にはそういう道も用意して、会社の給与テーブルを再構築しました。社員のスキルベースでキャリアパスを設計したわけです。

コンサルタント出身者を「経営職候補」として採用

人事は会社組織の重要な裏方。強力なブレーンと強固な絆を築ければ、強い組織作りの礎となる

今年から社内で「経営管理職候補者」を育てることを目指し、外資系コンサルティング出身者などの採用も試験的に始めています。マネジメントが苦手な人に無理やり任せるよりも、マネジメント職には優れたマネジメント経験のある人を採用して、マネジメントが不得意な人には技術のスペシャリストとして進んでいってもらうのもアリかなと思います。

この方法がいいのかどうか、まだ結論は出ていませんが、上場して1年が経ち、ウチの会社もそういう議論ができる環境になってきたといえるのではないでしょうか。こういう建設的な議論が始まったことは、マネジメントの姿勢としては良いことだと思っています。

ちなみに、最近採用したコンサルティングファーム出身の人は、かつて「お客さん」としてウチのヘビー・ユーザーだった人です。本当にやりたいことは、エンド・ユーザー側から見ないと実現できません。コンサル出身だけあって、問題意識も非常に高く持っています。技術的な知識の弱さは否めませんが、ウチのシステムについても問題の本質を見抜く目を持っており、私の右腕になってくれるんじゃないかと期待しています。

「大企業」ではなく1人当たりの利益率が高い会社

ウチの会社は順調に売上、利益とも伸ばしてきていますが、だからと言って、規模の点で「大企業」にはなりたくないし、なる必要もないと思います。

今は総務も経理も全部ワン・フロアにいます。派遣社員を含めて100人近くの社員がノットでできる。経営側からも社内の全体を見渡せるようになっています。

人数が多くなると、このような状況が保てなくなり、経営トップも自分の考えや思いを社員に伝えにくくなります。現状の規模の方が、トップが直接社員に対して語るにはちょうどよく、逆にこれができなくなると、業界でも独自色を出してきたウチらしさが失われてしまうんじゃないかと思っています。

経営の観点でみて、社員数が少ないということは、損益分岐点が下がるという点で貢献度は大きくなります。社員1人当たりの営業利益が1億円を超える会社というのはそれほど多くないはずです。

会社の図体が大きいだけで、1人当たりの利益率が低いという会社ではなく、規模は大きくなくとも、1人当たりの利益率が高く、社員が働きやすい環境を追求していきたいんです。そのためには、人事マネジメント改革も大胆にやっていく必要もあるでしょう。ありきたりですけど、優秀な社員をつなぎとめる方法はそれしかないと思っています。

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