やってみないと結果は出ない。これはほとんどの人がよく自覚していることだと思います。でも本当の問題は「何をやるかをどうやって決めるか」ではないでしょうか?
前回、私はまず「自分がたくさん持っているものに目を向けよう」と書きました。人よりたくさん知識があること、多くの時間やお金を使ってきたこと、あるいは人から「すごいね、羨ましいよ」なんて言われたことなどを考えてみてくださいと提案しました。
「そんなのがあれば苦労しないよ。こっちは仕事が決められなくて困ってるんだ」という人は、ひょっとしたら人よりたくさんの自由な時間があるのかもしれません。それだって「人よりたくさん持っているもの」の1つですね。
今回、考えてほしいのは、その「たくさん持っているもの」をどうすれば「極められるか」ということです。
●すでに始めの第一歩は踏み出している
皆さんはこれまで、興味のあることに対して、本を読んだり、セミナー・勉強会に参加したり、ネットで情報を検索したりしてきたと思います。もし本当にそうだとしたら、実はそれは、すでに始めの一歩を踏み出していることになります。実際に自分の意思で行動を起こしたわけですからね。
しかしここで大切なのは、次の一歩で「同じ方向に踏み出さないと前には進まない」ということです。せっかくの一歩を踏み出しても、別の方向にうろうろしているとそこからの前進にはならないからです。
大学受験の時、私は成績が伸び悩んで、手当たり次第に「カリスマ予備校講師」たちが書く参考書を買い集めていました。受験の専門家が言う「ここがポイント」を「手元に集めれば」、合格するものだと思い込んでいたのです。
しかし大切なのは、どれでもいいから1つか2つ、信じられる参考書を選んで、それをとことんまで使い込んで「マスターすること」だと分かったのは、結局、受験に失敗して、浪人してからのことです。これは、学生時代に得た貴重な教訓の1つです。
●次の一歩は「深堀り」
考えていても解決しないので、「まずはいろいろ面白そうなことに手を出してみよう」が第一歩なら、手を出したものの中から「どれかを選んで深堀りする」のが次の一歩です。
たとえば興味を持って読んでみた本や参加したイベントで、さらに興味をもったテーマについて2つか3つ選び、同じテーマの情報を意識してもう一度探してみてください。これが重要な第二歩になります。
テーマを選ぶ時には、「毎日それを考えていても飽きないか」「長期にわたって続けていけるか」を目安にするといいでしょう。この時に1つに絞ってしまう必要もありません。仕事に直接関係していなくてももちろん結構です。
たとえば私は、PRの仕事に就く前、その分野に興味を持ちはじめたとき、まずPRの専門家が書いた本を見つけて読みました。それで面白そうな仕事だと思ってPR関連の本を20冊くらい買い集めて、PRの仕事について誰がどんな風にとらえて、どんな仕事をしているのかを参考にしました。次に、常に新しい業界の情報が集まっている「場」を探しました。誰がキーパーソンで、どんな新しいアプローチがあるのかを知りたかったからです。また、どんな経験を積めば、将来、どんな仕事があるのか、できるのかを調べました。
そんなことをしているうちに、「どこに何がある」か、業界の全体像がなんとなく分かり始めるのです。
さあ、ここまで来るとあなたは自分が選んだテーマで専門家として認められる準備がすでにできている段階にきています。どの分野の専門家になるかはここで決めても遅くありません。