自分探しの自己演出講座

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第4回 今まであなたは存在しなかった!?(はじめの行動は自分の存在を周囲に知らせること)

前回までで、「すでにたくさん持っているもの」に目を向けて、「どうやってそれを極められるか」を考えましょうと書きました。そして、そのテーマについて全体像が分かり始める段階まで深堀りできれば、自分の道が拓け始める一歩手前にいると述べました。今回はここからいよいよこの「自分探しの自己演出」に欠かせない「他者との関わり」について考えてみたいと思います。

●あなたが何者なのか、ほとんどの人は知らない

「能力があること」と「評価されること」の間には実は大きな差があります。
これは、「良い商品」と「実際に売れる商品」に差があるのと同じことです。
能力があっても評価されるとは限りませんし、ひょっとすると能力がなくても評価されることがあるかもしれません。

しかし、いずれにしても、「自分の存在」を認知してもらわない限りは、その評価すら受けられません。この簡単な原則を、自分に当てはめて考えられる人は驚くほど少数なのです。

たとえば、仕事で初めて会うと名刺交換をします。そこである程度、自己紹介をしてお互いの情報交換をしているはずですが、後で名刺を眺めてみて、一体どれくらい多くの人について、その人がどんな仕事をしていて、どんな経歴で、何を得意にしているかを思い出せるでしょうか? あるいは日頃、一緒に仕事をしている同僚たちでさえも、家族構成や趣味、学生時代のニックネームを知っている人はどれくらいいるでしょうか?

おそらく、たとえ顔や名前、会社や所属部署は知っていても、それ以上のことはほとんど知らない、という人が圧倒的多数なのではないでしょうか。

同じことが逆の立場にも言えるのです。つまり、あなたがよほど変わった容姿や経歴を持っているか、自分のことを伝える時に工夫をしていない限り、一体あなたが何者なのか、どんな経験を積んで何が得意で、どこに向かって行こうとしているのかをきちんと認識している人はほとんどいないはずです。

でもそう考えてみると、自分という人格が存在していることを知っている人がどれだけいるのかとちょっと不安になりませんか?。

●まず自分のことを伝えよう

人はよく知れば知るほど相手に対して親近感を持ちやすいとされています。たまたま手元にあった心理学を活用した「モテる本」を読んでみると、「ちょっと人には言いにくい自分の秘密を告白すると(相手の気を引くのに)効果的」、なんてことが書かれています。

こうした考え方を仕事の現場で活かすには、意識的に自分の体験をエピソードとして話してみることをお勧めします。

たとえば、企画会議をしている時、自分自身の生活シーンを具体的に説明しながら、意見を言ってみたり、毎日の挨拶代わりに前の日やその日の朝、自分に起こった出来事を話してみたりするのはどうでしょうか。

以前、私と共に提携の交渉をしていたある同僚は、自分の彼女がアニメオタクだというエピソードを会議中に披露し、その彼女との会話の中で得たヒントによって、具体的なシナリオに落とし込んだことを説明したことがあります。その後、一気に両社の雰囲気が打ち解け、話し合いが進みました。

こうした自分の私的な体験を語ることで、話す意見やアイデア自体も極めて具体的になり、聞く側とイメージを共有しやすくもなるのです。

自分の体験をさりげなく日々の会話の中に入れていく。これがうまくできるようになると、自分に興味を持ってくれる人、親近感を持ってくれる人が目に見えて増えてくるから面白いですよ

プロフィール

鶴野充茂氏
鶴野充茂(つるの みつしげ)ビーンスター株式会社 代表取締役

blog : http://www.kohoman.com/blog
メルマガ : http://www.mag2.com/m/0000023445.htm

大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。
外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。
効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。

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