自分探しの自己演出講座

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第5回 興味の深堀りから始めよう

前回は自分の私的な体験を意識的に会話にとり入れることで、相手に自分のこ とを覚えてもらいやすくするという方法を紹介しました。今回は、相手に対し て一歩踏み込んで積極的にはたらきかける方法を考えてみます。

●常に決まったテーマで話を聞く

自分がある程度詳しくなったテーマについて、人と話をしている時に何気なく話題にしてみてください。はじめは自分の知識や意見を言わず、相手に話してもらうのがコツです。

たとえば仮に、今、あなたに「とんかつ」についてのこだわりがあるとしましょう。とんかつのおいしいレストランに詳しくなっているかもしれませんし、とんかつの「サクッ」と揚げる料理のコツについて、すでに充分な知識があるかもしれません。それでも、いきなり何の前触れもなく「とんかつ」について、あなたが語りだしたとしたら、普通の人は「なぜ今、とんかつ?」と困惑するはずです。

しかし、「今、自分が興味のあるテーマについて、少しでも多くの情報を集めている」というスタンスなら、相手は話にのってきてくれることが多いものです。「最近、とんかつにハマッてましてね。どこかおいしいとんかつ屋さんを知りませんか?」とか「おいしいとんかつを家で作りたいのですが、料理は得意ですか?」と言った感じです。

相手に話してもらうところからスタートすれば、そのテーマで話が続けられる人かどうかをすぐに見分けることができます。会話が続けられると判断できれば、次に会った時も、「この前紹介してもらったとんかつ屋に行ってきましたよ」とか「もっとすごい所を見つけたんですよ」などと話を続けることができます。こうして自分の得意な「共通の話題」をつくることができるのです。

●詳しい人を探そ

さらに、相手から聞き出す情報で、後々最も重要な意味を持つのは人の情報です。

「このテーマについて詳しく調べてるんだけど、誰か詳しそうな人を知りませんか?」と聞いて、「あ、それならあの人に聞いてみたら?」と言われたら、その人をぜひ紹介してもらってください。

どんなテーマでも、人が情報を受け渡しし、評価をし、そしてチャンスを運んでくれます。あなたが興味のあるテーマについて、情報を集めようとするには「このテーマに詳しい」とすでに認知された人たちと、できるだけ数多く知り合っておいて損はありません。「誰を知っているか」は、それだけで、あなたの付加価値になることがあります。

「でも、会って、いったい何を話すの?」という疑問を持つ人がいるかもしれません。

同じテーマに興味を持つ人同士ですから、地元が同じ人が集まってローカルな話題で盛り上がるように、そのテーマの面白さやディープな話題が適しているのはもちろんですが、さらにお勧めは、そのテーマをいかに盛り上げるかという話です。とんかつファンなら「旨いとんかつ普及協会」を一緒に結成してもいいですし、「とんかつ屋の格付け」を独自基準で推進するのはどうかなどと語ってみても楽しめます。どうすれば更に興味の深堀りができるか、もっと面白い活動につなげられるかを話してみてください。

要は、人と関わりながら、自分自身が興味のあるテーマにどっぷりはまりこんでいく状況をつくるということです。そんなふうにしていると、周囲の人もあなたに、興味を持っているテーマの情報を持ち寄ってきてくれるようになります。

プロフィール

鶴野充茂氏
鶴野充茂(つるの みつしげ)ビーンスター株式会社 代表取締役

blog : http://www.kohoman.com/blog
メルマガ : http://www.mag2.com/m/0000023445.htm

大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。
外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。
効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。

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