自分探しの自己演出講座

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第8回 意思を持とう、意思を示そう

これまでの2回のコラムで、どうすれば自分と自分の周りにいる人の両方がハッピーになれるかを考えてきました。振り返ってみると、私の場合、同業種交流会を主宰したことがこのテーマを考える最初のきっかけになったのですが、その活動がうまく行き始めたとき、多くの人から聞かれる質問がありました。

それは、「どうしてこれを始めようと思ったのですか?」というものです。

一体なぜ、人は「活動を開始した理由」に興味を持つのでしょうか? 今回は、このテーマについて考えてみたいと思います。

●知らない人は応援できない

行動パターンの読めない人が近づいてきた時、多くの人は本能的に危険性を察知します。そして、「怪しい人」、「あぶない人」、「胡散臭い人」などという名称をつけて、なるべく関わりをもたないようにします。

ところが、よく知っている人から紹介されたり、行動パターンや思考特性を理解できるようになると、その相手に対する「よく分からない不安」は不思議に減少していきます。

心理学で有名なザイアンスの法則は、これを理解するのにたいへん参考になります。それは、

  • 人は知らない人には攻撃的、批判的、冷淡に対応する
  • 人は会えば会うほど好意をもつ
  • 人は相手の人間的側面を知ったときに好意をもつ
というものです。

つまり、よく分からない人のことは、親近感を持ちにくく、したがって応援もできず、そして当然、あまり信用もできない。逆に、相手のことを知れば知るほど親近感を持ち、好意を持ちます。一度興味を持てば、もっとその相手のことを知りたくなりますから、過去の話や考え方などを聞いてみようと思うのも、自然な流れなのかもしれません。

●意思を示してコラボしよう

さて、冒頭の質問「活動を開始した理由」を聞かれた私は、素直に答えていました。そして、これが大切なのですが、「これからどうしたいか」も付け加えて話すようにしました。すると、ありがたいことに、「いいですねぇ、協力しますよ」と言ってくれる人がどんどん増えてきたのです。これは正直言って驚きでした。

しかし、考えてみると仕事でも同じようなことが言えると思うのです。

忙しそうにしている同僚や上司・先輩を見て、「手伝いましょうか?」と声をかけた時、「いいよ、自分でやった方が早いから」と言われると、誰だってムッとしますよね。それが、状況だけでも説明してもらえれば、「じゃあ、これを手伝いましょうか?」とか「これならできますよ」という自分なりの提案ができると思うのです。

興味をもったことに対して、自分が何か貢献できるなら、喜んで協力したいと思うことは何も不思議なことではありません。それにはまず、相手の意思・意向を知ることからです。

そしてそんな風に考えてくれるありがたい人たちが、きっとあなたの周りにもいるはずです。ですから何か活動を開始する時には、自分の意思や方向性をしっかり伝えることによって、ぜひ協力者とのコラボレーション(コラボ)をして、一人ではできない面白さを生み出そうと考えてみてください。

プロフィール

鶴野充茂氏
鶴野充茂(つるの みつしげ)ビーンスター株式会社 代表取締役

blog : http://www.kohoman.com/blog
メルマガ : http://www.mag2.com/m/0000023445.htm

大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。
外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。
効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。

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