働いていると、同僚や学生時代の同級生などから、「会社を辞めることになり
ました」という報告を受ける機会があります。こんな時、意外と自分自身の
キャリアを考えるきっかけになるという人も多いのではないでしょうか?
今回から、数回にわたって、「じゃあ、自分はどこに向かって進んでいくの
か」について、考えてみたいと思います。
●知人の動きを見て焦る自分
転職をしたり、海外に留学したり、知人がさまざまな道を選択しているのを見
ていると、それに対して、自分は本当に前進しているのだろうかと悩んでしま
う、という相談を受けることがあります。
特に、知り合いが今までとはまったく異なる分野に方向転換して飛び込んでい
くといった話を聞くと、応援したい気持ちと、やりたいことや具体的な目標を
見つけた事に対して、羨ましい気持ちが複雑に絡み合っている、というのが、
まだ目標を決めていない多くの人にとって正直な気持ちなのかもしれません。
彼、彼女がしっかりと目標を定めて前進しているのに、一体自分はどうなの?
自分は本当にこのままでいいの? といった気持ちがわき上がって来るわけ
です。
でも、こればかりは自分で解決するしかありません。自分の人生ですからね!
●目標は自分の中にあるわけではない
目標が見つからない時、多くの人や自己啓発の本は、「自己分析しなさい」
「掘り下げてじっくり考えてみなさい」なんてアドバイスをしてくれます。
実はこのアプローチは、自分の中に既に答えがあることを前提にしていて、
「それで見つからなかったらどうするのか」に対する解がありません。
目標が見つからない人の場合、そのほとんどは、自分の中に目標を見つけられ
ないから悩んでいるのです。その結果、「ひょっとして自分は、今までムダに
人生を過ごしてきたのではないか」と自己嫌悪に陥る人も出てくるわけです。
目標には、自分の中から湧き上がってくるものと、周りの人たちとの関係の中
で出来上がってくるものがあります。目標がなかなか見つからない人に注目し
てもらいたいのは、この後者の方です。
たとえば、海外旅行をしているうちに自分が日本人であることを強烈に意識
し、日本文化を追求することを目標に決める人がいます。大災害が起こってボ
ランティアに駆けつけ、人から必要とされた経験に充実感を覚えて社会貢献を
テーマに仕事をしたいと思うようになった学生もいます。買い物をしている時
に消費者にとって不自由な業界の慣習に問題意識を持って、「新しい仕組みを
導入しよう」と取り組みを始めたベンチャー経営者もいます。
夢や希望、そして目標の話をすると、多くの人は無意識のうちに「自分の心の
底から感じる熱い思い」をイメージし、それは「誰もが持っているべきもの」
だと考えてしまいがちですが、必ずしもそうではないのです。
日々の生活で疑問に感じたこと、不満に思ったこと、「こうなったらいいのに
なぁ」と思う問題意識を大切にしてください。そして、いろんな人に「どうし
てこうなっているのか」と発信してみてください。あなたの小さな問題意識
が、人との関わりの中でどんどん膨らみ、具体的になることも少なくありません。