
発信できるような「個人」のネタが自分にない場合は、探すのではなく、意識
して「つくる」ということを、前回のコラムで提案しました。そのために、そ
のテーマにしばらくとことんハマってみるのが良いと説明しました。
今回は、その「ハマる」具体的な方法の1つとして、「とことん調べてみる」
ことについて考えてみたいと思います。
●なぜ調べるのか
まず「調べる」という単純な行為には、とても大きな意味があります。
普段生活している中で目にしたり耳に入ってきたりする情報は、「たまたま受
け取った」情報、つまり受身で入手したものです。一方、「調べる」ことに
よって得た情報は、自発的、積極的な行為で収集したものです。
「受身」で得た情報は、みなさんがよほど「特別な人」でもない限り、普通の
生活を通してめぐり合ったものですから、自分以外の人も同じように持ってい
る可能性が高いと言えますよね。
これに対して、自発的に探し当てた情報は、意識しなければめぐり合いません
から、他の人が持っている確率も相対的に低くなります。そうすると、あなた
独自のネタになりやすいわけです。
さらに、主体的に情報を探していると、新たに見えてくるものがたくさんあり
ます。
たとえば街でトイレの場所を必死に探している時、どんな店ならキレイで快適
に使えるトイレがありそうか、過去の記憶をたどったり、予測したりしたとい
う経験がないでしょうか?
その結果、あの店は売り場はオシャレなのにトレイは狭い、汚いとか、あの場
所のトイレはいつも混んでいるとか、普段考えていなかったものが頭に浮かん
でくる瞬間があるのです。
そして、そんな風に調べれば調べるほど、見えてくる観点の数が増え、その
テーマに関して多角的に、深く理解できて来るのです。
●目的を持って調べる
ただ、手当たり次第に調べてもきりがありません。そこで、調べる目的を明確
にしたいと思います。
今回は、「目標イメージをつかむ」という観点から、ポイントは次の2つに絞
ります。
興味を持ったきっかけがあると思います。何か強烈な体験をしたとか、強い問
題意識を持つような情報を得たなど。その周辺をもっと詳しく調べてみるとこ
ろからスタートします。
- なぜそのテーマを他の人が知る必要があるのか(テーマの重要性)
話しかけた相手がきちんと話を聞いてくれるためには、その話が相手本人に
とって関係のある話だと思ってもらう必要があります。
詳しい理由については追って説明しようと思いますが、この2つの視点によっ
て、他人に知らせたときに反応を得やすい情報を収集することができます。
話してみた時、「それがどうしたの?」なんて言われないようにすることが自
己演出上、とても重要なのです。

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大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。 外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。 効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。
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