自分探しの自己演出講座

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第12回 データを分類しよう

前回は、「とことん調べる」ことについてまとめました。「自己演出」という テーマで読んでみると、日常業務とは離れた世界のことを連想する人もいたか もしれませんが、コンサルティング会社や広告代理店などで、新規顧客への提 案の場に臨んで高い勝率でビジネスを獲得している私の知人たちは、日常的に このプロセスを仕事に取り入れています。

たとえば、プレゼン前には、相手先企業が抱えている課題やビジネスの状況を 徹底的に調べてから提案を作っています。あるPR会社の社長は、「毎回新し い会社に提案に行く前には、20-30冊の関連テーマの本を買いこんで勉強す る」と豪語しています。

今回はそんな彼らの話も参考に、とことん調べた次にどうするかに話を進めま しょう。

●自分でカテゴリー分けする

今回、取り組んでいただきたいのは、とことん調べて集めた情報を「分類す る」ということです。

ラーメンであれば、ミソ、塩、しょうゆ、とか、麺の種類やスープの出汁のと り方などの分類がまず頭に浮かびます。車であれば、メーカーや排気量、セダ ンやSUVというカテゴリーもあります。自分が選んだテーマの情報を自分な りにカテゴリーを決めて分類していくのです。

この分類方法は、既存のものでも、自分オリジナルでも構いません。ただし、 この分類の仕方があなたのノウハウとなり、付加価値にもなりますから、ぜひ 気合いを入れてください。

どうして分類が価値になるかというと、分類するという作業は、多くの情報の それぞれの位置関係が見えなければできないことだからです。

これを理解するのに、先の例がたいへん参考になります。なぜプレゼン前に大 量の情報を調べるかというと、まったく知識のない状態からクライアントと対 等に話をするためには、さまざまな角度から判断して最適な提案をする必要に 迫られているからです。

あるベテランのコンサルタントがこんなことを言っていました。「自分たちの 仕事は、クライアントが抱える問題を分かりやすく整理することだ」と。

たくさんの情報を目の前に集めてきて、それをカテゴリー分けして因果関係を 整理した上で、「こういう風に理解すると、やるべきことが見えてきますよ ね」とやると、納得してくれる場合が多いのだそうです。

余談ですが、私の会社が主催するセミナーでも、分かりやすくカテゴリー分け した資料がプロジェクターで映し出されると、数多くの人が一生懸命にメモを とる姿を目にします。

●それは自分自身を分類することにもつながる

情報の分類を続けていくと、だんだん自分の集めている情報自体に特徴が出て くるから不思議です。同じ新聞の紙面を見ていても、目を引く記事は人によっ て異なります。自分が無意識のうちに追いかけている情報には特徴があるのです。

そしてこの自分が集めている情報の特徴や傾向をつかむことが次のステップに なります。

それにはどうするかというと、分類分けした情報を周りの人に教えてあげるの です。「最近こんなことに興味があって、よく調べてみるとこんな風に分類で きるんですよ」と。

こうして発せられた情報は、明らかにあなたならではの問題意識や興味、視点 が反映されたものです。そして話をした相手はあなたに何かを言うでしょう。 「へぇ〜、○○ですね」と。

この○○こそが、他人から見たあなたの認知です。分類の視点が面白いとか、○○ に詳しいとか、じゃあお勧めは? なんてアドバイスを求められることもある かもしれません。

つまり、集めた情報の分類をしていくという作業は、自分自身を分類するとい うことにつながります。どんな情報に詳しいのか、どんなこだわりがあるの か、そして自分が何者かというのを他人から見て分かりやすくする作業にも なっているわけなのです。

プロフィール

鶴野充茂氏
鶴野充茂(つるの みつしげ)ビーンスター株式会社 代表取締役

blog : http://www.kohoman.com/blog
メルマガ : http://www.mag2.com/m/0000023445.htm

大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。
外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。
効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。

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