
前回、集めた情報の分類をしていくという作業は、自分自身を分類するという
ことにつながると述べました。それは、分類自体に個性が出て、自分が何者か
というのを他人から見て分かりやすくする作業にもなっているからだというこ
とでした。
今回はいよいよ目標イメージをつかむためのまとめになります。
まずは、前回の話を少し具体的に考えてみることにしましょう。
●自分らしさを伸ばそう
今、私の手もとには、自分で収集・分類した飲食店情報があります。
- 禁煙席のある店
- 5000円で満足できる店
- 込み入った話ができる(テーブル間の広い)店
などのリストがまとめられています。和食、中華、イタリアンといったカテゴ
リーやエリア別にまとめてあるのが従来のレストランガイドだとしたら、上に
挙げたテーマでまとめてあるところに、(それが特殊かどうかは別にして)明
らかに個性が出ていることが分かります。
これが集めた情報を分類していく過程で自分らしさが出てくるという意味で
す。そして、その自分らしさに自分で気づけない場合には、人に見てもらう、
聞いてもらうようにすることで、自分らしさを指摘してもらえるはずだという
ことです。
目標イメージをつかむには、ぜひその自分らしさを徹底的に伸ばそうと考えて
ください。
●そして原点を振り返る
No.11で、情報を調べていく時に目的を持つことが大切だと書きました。た
だ、手当たり次第に調べてもきりがないので、どうしてそのテーマが面白いと
思うのか(着眼点)と、なぜそのテーマを他の人が知る必要があるのか(テーマ
の重要性)を意識して情報収集にあたることを提案しました。
その結果、集められたのが、今、皆さんの目の前にある情報の数々のはずです。
そう考えると、明らかに収集・分類した情報に自分の問題意識やこだわりが反
映されていることに気づくのではないでしょうか?
たとえば、上の私の飲食店情報で考えると、美味しい料理を手ごろな値段で楽
しみたいという欲求が強いことが分かります。その心理の根底には、「高くて
旨いのは当たり前。安くて旨いから価値がある」という考えがあります。そし
て、素晴らしい料理を楽しむにはタバコの煙に邪魔されたくないわけです。料
理との体験を視覚・嗅覚・味覚・触覚といったすべての感覚でフルに楽しみた
いのですね。
あるいは、仕事の打ち合わせなどで店を利用する場合も多いので、周りの耳を
意識することなく話ができる店というのが重要ということになります。なぜか
というと、自分自身が、よく周りにいる他人同士の会話を聞いているからです。
こんな風に情報を集めて分類してみたところで、「なぜそれが大切か、自分の
こだわりは何か」が、どんどん浮き彫りになってくるはずです。
分類上の自分らしさ、は、自分が工夫したところ。つまり自分なりに考えたも
のなのです。なぜそこであなたは工夫したのか。なぜ自分なりの味付けをした
のか。それには何かこだわりがあるはずです。ぜひそのこだわりを行列のでき
るラーメン屋にあるような「当店のこだわり」みたいな形にまとめてみてくだ
さい。それがあなたの問題意識であり、判断基準でもあるのです。
今日の行動指針が決まれば、明日の自分の姿が見えてきます。なので考えてみ
てください。そのこだわりを徹底的に突き詰めていった時、どんな目標イメー
ジになるのかを。

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大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。 外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。 効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。
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