自分探しの自己演出講座

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第14回 才能がなくても強みはできる 知識・経験・技能の蓄積

前回までは、「目標」について考えてきましたが、今回から3回にわたって、 「強み」について考えてみたいと思います。

自分に自信が持てない人の悩みを聞いてみると、その多くは「自分の強みがよ く分からない」と言います。実に多くの人がこの「強み探し」の迷宮で、さま よい続けているのです。もし、あなたもその一人だとしたら、ぜひ次のように 考えるようにしてください。

強みが見つけられなければ、新たに作ればいいのだ、と。

●繰り返しが強みを作る

このコラムの第2回に少し書いたことですが、とても大切なので繰り返します。

未経験のことが自分の強みになることはありません。好きで繰り返したり、褒 められてその気になって繰り返したりすることで、「強み」は育てられていく のです。

しかし、もし本当にそうだとしたら、「強み」にしたいことを繰り返して経験 すれば、それがそのうち現実の「強み」になる可能性が高い、という事になり ますよね。

じゃあ、そこで次の問題として、一体なにを「繰り返す」べきか?

「目標」を模索する中で、みなさんが追求したいテーマは大まかに絞れている ことと思います。そのテーマの中で、「知識」か「経験」を増やす、あるいは 「技能」を伸ばす、ということを考えてみていただきたいと思います。

たとえば、好奇心が旺盛でさまざまなデータを記憶したり、誰かに教えてあげ たりすることが好きな人は「知識」を追求するのに向いているでしょう。

頭で考えるタイプというよりも自分は行動派だ、というなら、「経験」を追求 するのに向いているかもしれません。

また、スキルや技術を身に付けることに興味がある職人肌の人なら、「技能」 を追及してみるのが良いかもしれません。

テーマと自分の性格の向き不向きを考えながら、選ぶようにすればOKです。

●苦手を繰り返さない

この時に注意したいのは、「苦手意識を持つ対象を無理に強みにしようと思わ ない」ということです。

これには2つの理由があります。

まず1つは、苦手意識を持っているということは、すでに「繰り返し失敗して いる」ということ。それを得意にするよりも他の対象を選んだ方が懸命です。

2つ目の理由は、「自分にとってはマイナスに感じているかもしれないが、 ひょっとすると自分の特徴になっているかもしれないもの」を平均値に近づけ て特徴を消してしまおうとするのは、ちょっともったいない、ということです。

人がチャンスを得て飛躍するには、「平均点の高さ」よりも「注目点の高さ」 の方がずっと重要です。

「彼/彼女はなんでもできる」というよりも、1つでも「彼/彼女はこんなす ごいところがある」という特異なところが話題になって、誰かを紹介されたり お誘いがあったりしますよね?

苦手意識があるものは、とかく気になって、なんとかカバーしたいという心理 がはたらくものですが、ここはグッとがまんして、それよりも別の「もっと人 から見て変なところ」を意識的に伸ばすことで、それを武器にして行こうと考 える方が、自己演出上は得策なのです。

強みというのは、人から見て、それが自分にとってはプラスであれマイナスで あれ、「ずいぶん変わっている」というところでもあるのです。

「ずいぶん変わっている」ところは、それをどう見るかによって、強みにも弱 みにもなります。

たとえば悲惨な体験は本人にとっては辛いことかもしれませんが、本に書けば それは多くの人を感動させる価値の高い財産でもある、というのもその例の1 つかと思います。

強みづくりは、まさに、自分の「変わっているところ」をとことん伸ばしてい く作業なのです。

プロフィール

鶴野充茂氏
鶴野充茂(つるの みつしげ)ビーンスター株式会社 代表取締役

blog : http://www.kohoman.com/blog
メルマガ : http://www.mag2.com/m/0000023445.htm

大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。
外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。
効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。

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