
前回のコラムの最後に、強みづくりは、自分の「変わっているところ」をとこ
とん伸ばしていく作業なのだと書きました。
鋭い方はここで、何もゼロから強みを作っていかなくても、すでに「ちょっと
人と比べて変わっているところを見つけて、それを伸ばせば楽じゃないか」と
気づいたかもしれません。そう、まったくその通りです。
というわけで今回は、自分の強みになりそうな「芽」を見つけるコツについて
ご紹介することにします。
●自分のことを他人に聞く
自分の強みになりそうなところを見つけるために、これから積極的に他人の力
を利用していくわけですが、間違っても自分の強みは何でしょうか、なんてこ
とは聞かなくて結構です。その理由は、大した答えが返ってこないからです。
大体、他人のことをそれほど真面目にチェックしている人なんてあまりいない
し、たまたま親切にアドバイスしてくれる人がいたとしても、あくまでその人
の限られた人間関係の中のみで判断されることが多く、あてになりません。
それよりも、ぜひ身近な人に聞いてほしいことは、自分の「七不思議」です。
たとえば、
- 話題が豊富だが、一体どこで仕入れてくるのか謎である
- 忙しいはずなのにすぐにメールに返事が来るのは謎である
- 妙に社内人事に詳しいのは謎である
- 小さな子どもがいる母親なのに、毎日夜遅くまで仕事をしている。一体、子
どもをどうしているのか謎である
- 冬でも異様に日焼けしているのは謎である
など、わざわざ聞くまでもないものの、前から不思議に思っていたことがいろ
いろ出てくれば大きなヒントになります。
言ってみれば、その七不思議は他人の好奇心を刺激するポイントです。そし
て、話題が豊富なのは、人脈が広いことの結果だったり、人事通なのは新しい
情報に敏感だったり、はたまた個人的スキルとは別の強さがあるのかもしれな
いなど、人との違いを見つけるきっかけになることがあります。
●異文化の中で気づく
次に、ちょっと日頃の人間関係とは離れたところに出かけてみてください。セ
ミナーでもいいし、異業種交流会でも結構です。自分の業界の人たちがあまり
いないところで、別の人間関係をつくってみてほしいのです。
新しい世界に飛び込んだ時、はじめに自己紹介することになると思いますが、
そこで会社の人間関係から離れて、自分という人間が一体どんな風に見られる
か、どんなところに興味をもたれるかを感じることができます。
仕事内容に興味を持たれる人、話し方に注目される人、特定の領域の知識を頼
りにされる人などいろいろいると思いますが、それもまた、自分の「変わった
ところ」を見つける1つのきっかけになります。
●自分で名刺をつくる
最後に、騙されたと思ってぜひこの機会に個人名刺を作ってみてください。必
ず自分の頭にとても良い刺激になります。
名刺をつくる時、最も大切なのは、自分を紹介する言葉です。会社で支給され
る名刺には当然ながら社名や部署名、役職などが入っていると思いますが、自
分でつくる名刺にはこうした現在の所属を説明する言葉は入れてはいけませ
ん。また、既にあるカテゴリー名称(デザイナーやエンジニアみたいなの)もつ
けないことにします。
その上で、自分を説明するタイトルやキャッチフレーズをいくつか考えてみる
のです。
この時、すでに人に聞いた自分の七不思議や初対面の人から興味を持たれると
ころを中心に考えてみるようにします。どういう風に見られたいのかを反映さ
せてもいいですね。
ここでポイントは、その自分を説明するタイトルやキャッチフレーズは、どん
どん変えていけばいい、ということです。いろいろなものを試しながら、話題
が広がるものや自分が楽しく会話できるような表現に絞って行けばいいのです。
名刺をつくるのにお金はほとんどかかりません。最近は広告が入った無料のも
のもあります。
ちなみに私もそんな風にして、会社員時代に「自己演出プロデューサー」とい
うタイトルを使うようになりました。そしてこのタイトルのお陰でたくさんの
仕事につながりました。
所属を説明するだけが名刺の役割ではありません。人と会った時に話題を生む
1つの「きっかけカード」だと考えて、ぜひいろんな種類のものを作ってみる
ことをお勧めします。

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大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。 外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。 効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。
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