
前回は、読者は勝手に集まってくるのではなく、自分が集めているのだという
ことを説明しました。そして、集まってほしい人に向けてパッケージ化した情
報を発信することを提案しました。
発信情報のクオリティアップについての最後として、今回は、その集まってき
てくれた人たちに提供する「付加価値」について、考えてみたいと思います。
●付加価値の原点は、独自の視点にある
まずは、ちょっとおさらいです。前々回のコラムで、私は次のように書きました。
付加価値とは、「その情報を持っていることで、大きな違いを生むようなもの
です。これを知れば、他の大勢の人から一歩抜け出すことができるとか、大儲
けできる、というような情報はこれに入ります。知っていれば失敗を防げると
か、慌てなくていいというものもありますね。ノウハウや変化を与える情報の
価値だと思ってください。」
これだけを読むと、分かったようで分からない、という人もいるかもしれません。
そんな人は、こう考えてください。
付加価値とは、「独自の視点」なのだ、と。
どうして独自の視点が付加価値になるかというと、あなたが指摘しないと誰も
気がつかないことだからです。
あなたの指摘によって、みんなが新たなポイントに目を向けたり、刺激を受け
て更なる発想につながったりするなら、それは大きな違いを生むことになりま
すよね。
たとえばこんな経験はないでしょうか?
1つのテーマについてみんなで議論している時に、誰も触れないポイントがあ
るのにあなたが気が付いて、
「どうしてみんな言わないのかな」
「これって常識なのかな」
「何かの理由があって触れられないのかな」
なんて思ったことはありませんか?
それを口に出して言うこと。ブログに書くこと。
「あ、そういえば、そんなことに目を向けてなかったな」と思わせれば大成功。
それがあなたの付加価値です。
●「誰に」「何の」専門家だと思われたいか
誰も指摘しないことを言うのは、ちょっとした度胸がいります。
こんなこと言うとバカだと思われないか、とか、そんな話は昔に終わったよと
言われないかなどと恐怖心がわくかもしれません。
でも、気がついたその視点は、あなた自身が持っている付加価値です。
それを人前に出して反応をテストしてみる価値は充分にあります。
誰も言わないけど、実はここが大切ですよ、と。
ただし、ここで1つだけ注意があります。それは、情報を提供する相手によっ
て付加価値は変化する、ということです。
たとえば、山歩きをしていて日頃見かけない花を見つけたとします。それを写
真にとって、ウェブ上で紹介するとしましょう。その時のコメントは、「こん
な珍しい花を見つけました!」なんて感じです。
あなたと同じような生活環境にいる友人たちにとっては、「へぇ〜ほんとだ、
珍しいね」と思うかもしれません。ところが、花屋さんや花の専門家に聞いて
みると、「この花は○○○と言って、この季節によく見られますよ」なんてこと
を言われかねません。
これを逆に考えると、つまり、誰に向けて情報を発信するのかを決めなけれ
ば、付加価値を意識することができない、ということになります。
あなたは、「そもそもそんな独自の視点なんて持ってないよー」と言うかもし
れません。でも、どんな分野でも初心者や未経験者は必ずいますから、そんな
人たち向けに、「業界の常識」を説明するだけでもひょっとしたら大きな付加
価値になるかもしれません。
違う言い方をすれば、あなたが誰に、何の専門家だと思われたいのかを意識して発信していけば、それが付加価値になる、と考えてもよいでしょう。他の人が同じようなことを言っていなければ、発信情報の商品力はさらに強まり、あなたの価値もグンと上がります。

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大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際広報)卒業。 外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇という「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンスや提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務など一貫して「コミュニケーション」をテーマに経験を積み、2005年2月に独立。 効果的な情報発信をコアにしたコミュニケーション技術を教えている。著書に、「転職を考え始めたら読む本」(全日出版)「できる社員は要領がいい」(DART)「つるの式仕事術」(IEC)などがある。
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