「あと1億円ください」は女性プロマネのみに許される!?

PMって、お客さんに対してスケジュールやコストについて、結構タフな提案をしなきゃいけないじゃないですか。営業は仕事を取ってくればそれで終わりですけど、実際にプロジェクトに入ると、当初描いていた絵がかなりブレていて、後から人が必要になったり、想定外の作業が増えることが多いんです。そこで交渉しなければいけないのが私たちなんですね。

難しいのは、フレームワークをお客さんに入れる時です。このフレームワークはウチの独自ツールで、アップグレードは別料金。ただ、アップグレードの時には、追加で1億円クラスのコストがかかってしまう。

でも、お客さんからすると、アップグレードってWindowsが自動的にアップデートしたり、バグ・フィックスもバンバン出してくれたりするのと同じ感覚。それだけに、「あと1億円ください」というのはさすがに言いづらい……。

最初は「エーッ!」と驚いていたものの、フレームワークはアプリケーションの根幹の部分なので、「コストとして考えてもらいたい」って、お願いしたら、理解してくれて安心しましたね。それは、結構大変でしたよ。でも、「どうせイジメても、結果は一緒」って思ってくれたのかも。

実は、同期の男性PMが同じようなケースに遭遇したんです。でも、お客さんと真っ向からぶつかってしまったんですね。「追加コストが発生することがわかったからといって、今さら払えなんておかしい!」などと言われて、ずいぶんとモメたみたいです。

彼の提案の仕方にも問題があったのかもしれませんが、それを差し引いても、お客さんが女性よりも男性のPMによりシビアなのは確かだと思います。実は会社もそういう事情をわかっていて、女性PMを増やそうとしているのかも。実際、私も女であることでかなり得していますので……。

「酒」と「タバコ」がプロジェクト成功の鍵?

お客さんといい関係を築くために、飲み会は積極的に活用しています。女性で「飲むのが好き」って人はあまりいないので、男性のお客さんはだいたい来てくれますね。他の女性プロマネで、私みたいに飲み会を仕事の一部にまでしちゃってる人はあんまりいませんけど(笑)。

というより、ほとんどの女性PMは、プライベートとビジネスの間にハッキリ線を引いてます。私の場合、1年間のプロジェクトだったら、だいたい週に1回は顔を出して、飲み会は月1ペース。仕事を発注する側と受注する側というケジメは必要だとしても、お客さんとは運命共同体なので、やっぱり「一緒にやっていきましょう」っていう気持ちをお互いに持っていないと、プロジェクトはうまくいかないと思っています。

喫煙ルームにもよく顔を出しますね。私はタバコを吸わないのですが、喫煙ルームだと、お客さんのマネジャーなんかもリラックスしているので、難しい案件とかでもフランクに話をしてくれるんです。喫煙ルームとか飲み会の席って、結構重要なことが決まるんですよ。1時間ミーティングやっても決まらないことが、タバコを吸いながら20分で決まっちゃったりとかね。

不満のはけ口になってお客さんを軽く丸め込む

あと、お客さんとトラブった時も、飲みに誘うことが多いですね。飲みながら「とりあえず思ってることを全部言ってください」って。そうすると、怒っているんじゃなくて、実は愚痴レベルだったりすることが分かる。まぁ、お客さんの不満のはけ口ですよ。

お客さんが感じているちょっとした疑問などを全部吐き出してもらって、1つひとつそれを組み解いていくしかないのが実情。お客さんも、女性には「怒りのスイッチ」が入るのが遅いんですよ。女性PMはそのタイムラグを利用して“和解”できるので、大きなトラブルになることは少ないんです。

ただ、飲み会の席だと、多少のセクハラはありますね。「この後、どう?」とか誘ってくる人もいるし。クサってもお客さんですから、怒らせたらさすがにマズい。なので、よっぽどのことをしてこない限り、基本的には軽く受け流すか、無視するかです。たまに「触らないでくれますか?」ってドスを利かせちゃうこともありますけど(笑)。

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