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2005年に『イン・ザ・プール』『亀は意外と速く泳ぐ』で映画化に脱力系ブームを巻き起こし、2006年に放送された『時効警察』も高視聴率をマークするなど“小ネタの鬼才”として、独特の笑いのスタイルを確立する三木聡さん。オリジナル脚本で挑んだの待望の監督最新作『図鑑に載ってない虫』で表現した世界と自らの監督観、仕事観に迫る!

まず、自分が面白いと思うことその主観で全力で走った映画

――『図鑑に載ってない虫』なんて、ずいぶん変わったタイトルですね。
今まで誰も見つけたことがないものの“象徴”ですね。子供の頃、図鑑に載っていない虫を探して、「この虫は図鑑に出ていないんだぞ」と威張りたいみたいな願望があったと思うんですけど、それでこういうタイトルをつけました。不思議の国のアリスじゃないですけれども、訳の分からないものが一体何なのかを突きとめていくという、割とワンダーランドっぽい感じになったと思います。
――小ネタも満載ですよね。タイトルも含めて、発想はどこから生まれてくるんでしょう?
普段からいろいろ考えてはいるんですけどね。今回は、色々な制約がありながら撮影していくうちに思わぬ事態が発生したりして、自分でも「あれ?こんな感じに変わっていくんだ」なんて面白がりながら、いい具合に内容が“スライド”していった感じです。そういう意味では、今までとはちょっと違う作り方でしたね。
――具体的にはどういったところですか。
映画の中で「猿の手」が出てくるんですが、登場のさせ方なんかは最初に考えていたものとはどんどん変わっていきました。ネタバレになるのであまり具体的に言えないのが申し訳ないです。
――あと気になったのがキャスティング。エンドー役の松尾スズキさんなんて、ハマりすぎですからね。
僕は基本的に脚本監督なんですよ。だから、役者さんにまず脚本を読んでもらうんです。今回は最初に、エンドーというキャラクターを『イン・ザ・プール』でご一緒した松尾さんが演ったらおもしろいんじゃないかと考えて、脚本を読んでもらったら、「面白そうだから演りますよ」と。それから、松尾さんの演るエンドーに合わせて「周りのキャラクターにはどういう人を持ってきたら面白くなるのか」とアジャストをかけていくのが、いつものスタイルですね。
――意外だったのが、主人公「俺」の伊勢谷友介さん。コメディの印象がほとんどないので。
「俺」は、振り回されて困っているキャラクターなので、「困った顔が面白い二枚目」と考えた時に、浮かんだのが伊勢谷さん。振り回される役に素直に入っていける俳優さんって、そういう素養と才能が必要だと思うんですが、伊勢谷さんには表情とか立ち方にある種の上品さ、素直さを感じたんです。
――今やハリウッド女優の菊地凛子さんが自殺願望のある少女役、っていうのもスゴいですよね。
撮影中にアカデミー賞にノミネートされて、僕もビックリ。自殺願望があるサエコの場合は、そのまま線の細い女性を起用するよりも、揺らぎない自分のペースを持った芯の強い菊地さんの方が面白いと思ったからです。実際、アカデミー賞の後でもまったくいつもと変わらずマイペース(笑)
――これだけのメンバーを束ねるのは大変だったんじゃないですか?
僕は、お客さんに観せる前にまず自分が最初の客だという意識があるんです。だから、自分が面白いと思っていないことは役者さんやスタッフに強要しない。今回も、自分自身が面白いと思ったことをまず提示してから、「こっちの方に行ったらもっと面白いんじゃないの?」と役者さんやスタッフとウロウロ模索しながら到達点に辿りつく感じです。そのプロセスが自分にとっては楽しかったですね。

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