成功するITエンジニア最新事情 2007年 30代・年収1000万円の条件(後編)

どのような職種に就こうとも、企業の規模などによって、年収は左右される。だが、ITエンジニアのキャリアの登竜門ともいえるプログラマーのままでも、年収1000万円を手にすることは可能だ。年収アップの決め手となる旬の“技術”とは何か。また、大企業へのステップアップ転職に必要な“経験”や求められている“職種”は何か……。IT業界を専門としているベテラン人材コンサルタント・戸村康志氏が明かす!

狙いは運用保守系エンジニア

運用保守系エンジニアの給料が上がる?

戸村康志氏

アビリティデザイン株式会社
IT業界担当コンサルタント
戸村康志氏

IT業界を専門に8年間転職コンサルタントを務める。得意分野はアプリ、Web、インフラ系SEのほか、セールス系セールス、プロマネ、コンサルタントなど。転職希望者の要望を把握したアドバイスに定評がある

  IT業界には、その時その時の“旬”のテーマがある。時流に乗り年収をアップさせるためには、「今何がテーマなのか常にアンテナを張る必要がある」と戸村康志氏は強調する。

 「トレンドではない技術をいくら一生懸命勉強してもあまり意味がありません。今であれば、内部統制、CISA(情報システム監査)、ISMS(情報セキュリティ)、CMMI(ソフトウェア開発業務のプロセス改革)などがキーワードになります。また、これからは運用保守にも注目が集まると思いますね。これまでSIerはインフラを設計構築して収益をあげてきたわけですが、お客様から受注金額を叩かれることが当たり前になってきて、利幅が非常に薄くなってきている。このため、運用保守を受注した方が効率的です」

  一般に、運用保守などのいわゆる「オペレーション系」の職種は、コンサルタントやプロマネはもとより、システム開発・設計職に比べても年収が低いとされてきた。ただ、近年、企業におけるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の流れが加速する中で、運用保守業務の重要性が見直されてきており、待遇も改善されつつある。求人を見ても、ネットワーク系、サーバ系などのあらゆる分野で運用保守の案件は増えている。

  「運用保守=下流」のイメージがあるせいか、運用からシステムやネットワークの設計構築に移りたい人がほとんど。上流から運用に行きたい人は殆どいない。その上、企業の採用意欲の高まりに応じて採用バーが下がっていることもあり、「26歳くらいまでであれば、未経験でも転職できる可能性は十分にある」という。

年収アップには、大企業を狙うのがセオリー

  どのような職種に就こうとも、企業の規模によって、ある程度年収は左右される。そう考えると、「年収を上げるために大企業に転職」という選択は間違いではない。問題は、エンジニアの大部分を占めると推測される下流系のプログラマーが、どのように大企業へステップアップするかだ。

   「プロジェクト・マネジャー(以下PM)を目指すのが、年収アップを実現する可能性がもっとも高いと思いますね。現在、IT業界全体でPM不足が深刻化しており、中小企業でもPMを経験すれば、より規模の大きいプロジェクトへの足掛かりとなって、大企業に転職できる可能性が出てきます」

  ただし、「中小企業でのPM経験がそのまま大企業でも通じるとは思わない方がいい」と戸村氏は警告する。 「多数のメンバーを引っ張るリーダーシップやプロジェクト全体を見渡す能力は、実際に大規模プロジェクトを経験しなければ身に付きません。即戦力を求める大企業に行くためには、中小企業の次のステップとして、中堅企業で少なくとも30名以上のプロジェクトを回す経験を積んで置くことが必要です」

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