“ITオタク・口ベタ”よ、さようなら!次世代SEは「○○上手」

“売り手市場”と化したIT業界にあって、プロマネ不足は深刻になっている。しかし一方では、キャリア意識がありながらも「コミュニケーション下手」なことで、なかなか飛躍できないでいる若手SE・PGの数は多い。そこで、プロマネを本気で目指してもらうべく、“説得的コミュニケーション”のプロである心理学者の内藤誼人氏が、キャリアアップに必要な5つの「○○上手」を伝授する!

第5回 「断り上手」

ヨソの会社と、うるさい顧客と、一緒に仕事をする同僚と――ビジネスのありとあらゆるシーンで、日々気の抜けない折衝が繰り広げられている。つまりビジネスとは交渉で成り立っていると言えるだろう。そこで譲ってばかりでは、いつも自分だけが泣きを見ることになる。

だが、和を以て貴しとなすジャパニーズマインドを抱いて生まれてきた我々は、「いやだ」「だめ」「いらない」がなかなか言えない。波風を立てずに「NO!」と言えるスマートなビジネスマンになりたい、そんな願いをかなえてくれる“お断り“のワザとは?

“断る”ことは交渉術の一つ

内藤誼人
◆ Plofile ◆

心理学者
内藤誼人(ないとう・よしひと)

(有)アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。説得的コミュニケーションをはじめとする社会心理学と、精神分析をはじめとする臨床心理学の両方を得意とする。著書に『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『人生相談は「不幸な人」にしよう』(ソフトバンク新書)がある。座右の銘は、「人生万事塞翁が馬」

いったん譲歩すると、なし崩し的にさらなる譲歩を強いられるのがビジネスの世界です。ですから、「無理なことは無理」ときちんと断われない人は、ビジネスマンとして失格と言えます。

ただ、断るのにも上手なやり方があります。人間誰しも、拒絶されると不快になるものですから、相手を全否定するような断り方をすれば、その人との人間関係が壊れてしまうおそれもあるわけです。

そうならないためには、いったん相手の言うことを受け入れてから、否定することです。たとえば、クライアントがあまりにも低額な予算を押し付けてきた場合。これに対しては、「すごく面白い企画ですね。我々は御社が望まれるアウトプットを出すことができると思いますよ」とまず受け入れておいてから「ただ、この予算では難しいですね」と否定するわけです。「これじゃ採算が合わないから予算を上げてくれ」といきなり否定から入るよりも、ずっと聞こえはいいはずです。

同様に、上司から「残業しろ」と言われたときに、「最近ちょっと疲れ気味で……」としぶるのはダメな断り方です。「残業ですか? いいですよ!」と、とりあえずはOKする姿勢を見せておいてから、「でも7時まででいいですか?」と、条件を出して軽く拒絶するのが上手な断り方です。

上手な断り方をすると、だいたい相手は要求レベルを下げてきます。「じゃあ、どれくらいの予算(時間)だったらできる?」という言葉を引き出せればこっちのものです。「断り方」はりっぱな“交渉術”でもあるのです。

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