海外ではたらく!めずらしいこんな仕事

第4回 電梯特殊工作員

“電梯特殊工作員”という中国語名称をみると、非常に特殊で高度な仕事に思われるかもしれないが、実は、「電梯=エレベーター」、「工作=作業(仕事)」という意味。よって今回はエレベーター特殊作業員をご紹介。

人々が居住するマンションや団地等に行くと、エレベーターの中、フロアのボタンを押す場所に椅子を置いて座っている人がいる。早朝だろうが、深夜だろうが、何時であろうといる人…これが、エレベーター特殊作業員だ。

居住する人間や、よく出入りする住民の知り合い等がエレベーターに乗り込むと、操作を始める。主な仕事内容は、手動式や半自動式エレベーターの操作コントロールと、警備(例えば、見知らぬ人が入ってきた場合、行き先を尋ねる。ほか、深夜の出入り口管理等)である。その他、住民への新聞配布や、不在時の郵便物の預かり、お年寄り住民の荷物持ちの手伝い等、雑多な仕事も行う。

誰でもできそうな仕事に見えるが、この仕事に従事するには、面接とトレーニング、並びにテストをパスしなければならない。そしてこの仕事に従事している間は、必ず2年に一度、国家が規定するエレベーター安全保護試験を受けることが義務付けられている。テストでは、筆記と口頭試問があり、エレベーターの安全に関する問題(例えば、非常時の対応の仕方等)が出題されるのだそうだ。

労働時間は、勤務先によっても異なるが、多くは一日12時間労働で2日働き、2日休むシフト制。

【データ】

年齢制限:主に49歳以下 (50歳以上の場合は就業が難しい)
性別制限:特になし (女性が多い)
平均月収:1ヶ月700人民元前後 (1人民元=約14円)
※月収は、マンションや団地の業務管理局等が、住民に請求する管理費で支払いを行っている。
※勤務する場所によるが、給与のほか食費や交通費、石鹸、タオル等が支給される場所も多い。

ライターコメント

この仕事は、長時間エレベーターの中で拘束される仕事という意味ではきつい。だが、仕事中、機嫌よく歌を歌いながらエレベーターを操作する作業員もいて、見ているだけで楽しい気分になってくる。作業員は全ての住民やよく出入りする者を常に把握しており、見知らぬ人間が入れば、厳しい目でチェックしている。よって、作業員がいるマンションや団地の方が盗難等も少なく、安全性が高め。昔の建築物は、手動式や半自動式エレベーターが多かった為に、作業員の需要度も高かったが、現在は自動式エレベーターの導入により、減少傾向にある。このような人間の温かみを感じる職業が減っていくことは、経済発展の証とはいえ、いささか残念だ。

Writer Profile

Rie Fukai

(株)アワーズ取締役・上海支社代表。翻訳、中国での企業設立代行業や(ファッション等)ショー&モデルコーディネート、中国企業調査等を手がける。フリーでは女性誌を中心に取材・撮影コーディネーター兼ライターと、企業とフリーランスの2足の草鞋で生活を満喫中。海外書き人クラブ・メンバー。中国在住、計8年目。

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