海外ではたらく!めずらしいこんな仕事

第2回 食品衛生検査官

「調理場の検査に来ました!」。食の安全性を守るために、食品衛生検査官はレストランや食料品店などを抜き打ちで訪問し、衛生状態を厳しくチェックする。

レストランから、パン屋、サンドイッチ店、学校の給食室まで、食品調理を行う施設の衛生状態を検査する、それが食品衛生検査官の仕事だ。

例えばレストランを検査する場合には、午前中、ランチサービスの準備をしている頃に予告なしで訪れ、警察手帳のごとく食品衛生検査官の身分証を見せ、厨房の立ち入り検査を要求する。もちろん拒否は許されない。
調理人の作業着は清潔か?賞味期限の過ぎた食品を使っていないか?ゴミ箱に蓋はついているか?調理台の油汚れがひどくないか?冷蔵機能のある陳列ケースには温度計が設置され、適切な温度が保たれているか?食品衛生上の問題点があれば経営者に改善を求める。
口達者なフランス人経営者は「料理人の責任だ」、「あんたの温度計は壊れている」、「そんな設備投資をしたら、うちの店は破産する」などと反論するが、それに冷静に対応し、速やかな改善を促すのも食品衛生検査官の仕事だ。

彼らの作成した調書によって、問題ありとされた施設の責任者は警察に召喚され、最高4,000eurosの罰金が課され、中には休業命令を出される場合もある。

【データ】

平均年収:公務員給与
繁忙期:1年中

ライターコメント

昨年、フランスでは中華食品の卸業者が劣悪な衛生条件下で作られた調理食品をパリの複数の中華惣菜店に卸していたことが発覚し、大ニュースになった。レストランや惣菜店で提供される食事にどのような食品が使われ、どのような条件下で調理されるか、利用者は知る由もない。国民の食の安全を守るために、食品衛生検査官の果たす役割は不可欠だ。

まったくの余談であるが、以前、フランスのテレビドラマで食品衛生検査官の身分証を盗み、高級食材店や菓子屋でこれを振りかざしてはおいしそうな惣菜やケーキ類を山ほど「没収!」し、それをテーブルに並べ、友達を呼び集めて宴会、なんてシーンがあった。

Writer Profile

Yuka Egusa

フリー・編集ライター。96年からパリ在住。ライターとして日本の雑誌やHPにパリ情報、フランス社会・文化などをテーマに寄稿。同時にパリ発・日本語情報誌『ビズ・ファミーユ』の編集・発行人を務める。著書に芝山由美のペンネームで書いたOL留学体験記『夢は待ってくれるー女32才厄年 フランスに渡る』がある。海外書き人クラブ・メンバー。

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