海外ではたらく!ミニ世界情勢

出生率低下は「有史以来の災難」だ

統計庁は24日、韓国の昨年の合計特殊出生率が1.16人に落ちたと発表した。人口統計が導入されて以来の最低記録であり、世界の国の中でも最低水準だ。

朝鮮日報8月25日付社説

【用語説明】

ライターコメント

この夏は韓国で出生率が過去最低を記録し、大騒ぎとなった。この社説もそのショックを日本の「少子化社会対策基本法案」に書かれた「有史以来の未曾有の事態」という言葉を引用して、「有史以来の災難」と表現している。たしかに韓国では1970年には出生率が4.53人であり、一人の女性が産む子どもの数がこの30年の間に3人も減少したというのは急激な変化だ。

韓国も日本同様、晩婚化、高齢出産が進んでいて、子どものいない既婚女性の5人に1人は子どもは要らないと考えていることがアンケート調査の結果で出ているほど。あるドラマでは経済的に独立した女性が「結婚なんてまっぴら。子ども?ペットを育てる方が楽しい」と話し、話題になったことがある。

しかし、儒教の価値観の強く残る韓国社会。結婚して子どもを産んでこそ一人前という考え方は根強くある上に、急激な変化のため核家族や少子化家族を体験した世代はごく一部に過ぎない。そこで現在の子育て世代の多くは、子どもは1人産んで教育にお金をかけて育てることを選択している。その結果、男子血統主義が色濃く残る文化の中で女児堕胎が横行し、性比のバランスが崩れるという深刻な事態を招いた。
少子化対策にとある地方で「多産コンテスト」を開いたところ、上位に入ったのは女児6,7人に男児1人という家庭ばかりだった。子沢山は後継ぎの男の子を産むために娘を続けて産んだ結果いうことがわかる。中央政府はそのようなコンテストは男尊女卑を助長するとして行わないように通達を出したという笑うに笑えないようなニュースもある。

Writer Profile

Kaya Tabata

1991年より韓国在住。梨花女子大大学院女性学科修士課程卒業。国際交流基金ソウル文化センター、オープンサイバー大学で翻訳を教える。子どもの育児環境を求めソウル郊外へ引っ越し、週の半分は自宅で翻訳やエッセー執筆をしている。

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