海外ではたらく!めずらしいこんな仕事

第1回 産後ケアサービス院

韓国には「産後調理院(サヌチョリウォン)」なるものが存在し、子どもを出産した女性に大好評だ。業界ではいたれりつくせりのサービス競争も過熱している。

韓国では出産後、自宅に戻る人もいるが、すぐに子どもと「産後調理院(サヌチョリウォン)」へ入り、2週間から1ヶ月ほど利用する人も多い。10年ほど前に登場したこの新ビジネスは急成長し、今や産後ケアのスタイルの選択肢として定着した。 たいていの「産後調理院(サヌチョリウォン)」は街中のビルにあり、中は普通の家のような間取りになっている。皆でくつろげる大きなリビングが中央にあり、奥にはダイニングキッチンがあり、片側にはテレビのある個室が並び、家族が付き添って泊まっていくのもOK。ガラス張りの新生児室には24時間体制で看護婦さんが待機し、赤ん坊を預けることができる。

1日4食の食事は、産後の肥立ちと母乳授乳を考えられた韓国伝統料理。昔ながらのワカメスープは毎食出る。また、産後に崩れた体型を整え、心身ともにリフレッシュできるようにとヨガのレッスンもある。専門講師がやってきて、産後ママの体調に合わせたレッスンを行ってくれる。院内には座浴器と呼ばれる下半身に蒸気を当て温めるものや全身美容カプセルなど自由に使える施設も充実している。

利用者の多くはここでのママ同士の交流を大きな魅力のひとつとして期待しているようだ。産後、自宅での孤独で不安な育児よりも、同世代の仲間と出産、育児という経験を共有することで励まされ、癒されるのだと言う。ここを出た後もネット上で交流は続き、その様子を見た後輩たちも利用するようになると言う。

料金は1日4食、おやつつきで2週間110万ウォン(約10万円)。庶民にとって決して安い金額ではないが、新生児のお世話から栄養満点の食事などなどいたれりつくせりのサービスは魅力だ。

【データ】

「産後調理院(サヌチョリウォン)」の数:500(政府福祉部統計300)

ライターコメント

さすが体にいいことはとことん追及する韓国ならではのサービスだ。韓国ではもともと昔から「産後調理(サヌチョリ)」、すなわち産後の養生は大切に考えられてきた。産後1ヶ月ほどは水にさわらず、体を冷やさないことが第一とされ、辛いものは食べず、毎食ワカメスープを飲むのが慣わしだった。今でも暑い夏でも外気に触れず、シャワーも浴びず養生に努める人が多い。以前は実家の母親などがやってきて一切の家事や新生児の世話などを引き受けてくれていたが、核家族のライフスタイルが広がり、そこに目をつけた民間業者が新たなサービスを考え出したというわけだ。

Writer Profile

Kaya Tabata

1991年より韓国在住。梨花女子大大学院女性学科修士課程卒業。国際交流基金ソウル文化センター、オープンサイバー大学で翻訳を教える。子どもの育児環境を求めソウル郊外へ引っ越し、週の半分は自宅で翻訳やエッセー執筆をしている。

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