普段から報告を欠かさない

人生も会社も、単年だけで生きているわけじゃない。短期間での一発勝負みたいな世界で生きたいと思うなら、100%コミッションの仕事を選べばいい。でも、そういう仕事に就く人にはめったに出会わない。たとえ金融のトレーダーといえども、基本給はもらっているからね。

なぜサラリーマンをやっているのかといえば、安定した生活を送りたいからだと思う。でなければ、独立すればいいだけの話。ドカーンと上がることもなければヘコミも少ない。そこで、“狼少年”にならないためには、上司への報告をちゃんとやるしかない。「上司・会社の了解の下に仕事をやっていますよ、だから正当に評価してくださいね」、と言わなくてはならない。

こういう報告を普段からやらずに、年1回の年俸交渉の時だけ、「実は、年初に決めた目標をこれだけ達成したんですよ」とアピールしたって、前にも話したように、交渉の時にはもうだいたい結果は決まっていることが多いから、上司は「今さら何言ってももう遅い」と思われて終わりですよ。

新規ビジネスは呉越同舟

どうしてこういうことが起きるかというと、「上司なら、自分のやっていることを知っていて当然」と考えてしまうから。でも、どんなに親しい間柄でも、誤解招くケースはあるし、ハッキリ言葉で説明してもらわないと分からないものなんです。これって、夫婦関係でも同じじゃないですか。お互い「察する」ことはできますよ。でも、「察する」イコール「正しく理解する」ことではない。理解しているつもりでも、違う意味にとらえていたり……。こういう事態を避けるためには、絶えず言い続けなくちゃいけない。これこそ、本当のコミュニケーションなんです。

特に新規事業は呉越同舟でなくてはダメ。つまり、同じボートに必ず乗っていなくてはならない。同じ会社で隣の席に座っていても、考え方の違いや心境の変化が原因で心が離れちゃうこともある。

だから、常に「同じボートに乗っている」ことを確認し、擦り合わせも必要になってくる。これをやらないと、後で上司に「お前が勝手にやったんじゃないか」とか「俺は知らなかった」とか言われることになる。

ただ、アピールも大事だけど、タイミングも考えないとね。その話は、次回にしようか。

給与交渉 梅森浩一の格言

  • 査定は減点主義。評価する人の基準を知れ
  • 業績が悪いときは、中長期での成果や目標をアピール
  • プロジェクトは呉越同舟、「報・連・相」はとにかくマメに
アップダウンサイジング・ジャパン
代表 梅森浩一

日系企業と外資系企業2社を経て、35歳でケミカルバンク東京支店の人事部長に就任。以後、2社の外資系金融機関の人事部長を歴任。現在は「アップダウンサイジング・ジャパン」(URL:www.updownsizing.com) を主宰し、企業コンサルティング、講演活動などを行う。著書多数。最新刊に、『はぐらかしの技術』(日本経済新聞社)と『「採用したい!」と言わせる技術』(大和書房)がある

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