面接の「3大ルール」を忘れずに!

ただね、いくらストーリー創るといっても、ウソは言っちゃダメだよ。絶対にバレるから。第1に「ウソはつかない」。第2に「聞かれてもいないことを、ベラベラとしゃべらない」。3つ目は「相手が心地良いように、事実をうまく組み立ててストーリーを語る」。これが面接の“3大ルール”です。

多少の脚色はあってもいい。だって、会社側も雇うに当たって多少の脚色は言っているだろうからね。あくまでも「多少」だよ。何度も言うけど、どっちもウソはついちゃダメ。ウソはダメだけど、「ものは言いよう」という世界はあってもいい。「まあ、そういう言い方もできるね」というストーリーを作ればいいわけです。事実を変えちゃいけないけど、解釈は人によってさまざまでしょ。

例えば、非常に難しい外科手術があったとして、生存率25%という事実がある時に、この手術をすると「4人中3人は死にます」という言い方をするのか、それとも「4人に1人は助かっています」という言い方をするので、受ける印象はだいぶ変わってくるよね。5分の1の確率で助かるという事実は変わらないんだけど、「助かっている」事実を強調するのか、反対に「死ぬ」ことを強調するのかで、受け手の印象は随分違う。

これは年収交渉でもまったく同じで、どっちも本当だけれども、ネガティブな方を強調した話をするのか、ポジティブな方を強調した話をするのか……どっちが賢いかは、言わなくてもわかるよね。

「見た目」も年収に影響を与える

最後に“言葉を使わない”年収交渉について説明しましょう。例えばIT系企業とか、ざっくばらんな会社に面接に行くとします。こういう会社って、社員の人が普通にカジュアルだから、ついそれに合わせてカジュアルな格好で面接に出かけがち。

でも、最初は堅苦しいくらい真面目なスーツで行くことを強く勧めるね。一張羅のスーツをクローゼットの奥から引っ張り出すのは、まさにその時だと思ったほうがいい。IT企業はカジュアルな社風の場合が多いから、カジュアルで行ってもそれで落とされたりはしないんだけどね。

ただ、服装がきれいならば、その人に対して「キチンとしている」といった、何ともいえない情緒的な印象を与える。それをみくびっちゃいけないね。もちろん入社したらカジュアルになるんだけど、最初の印象ってすごく引きずるものなんだよね。

こういう印象って、巡り巡って年収交渉にも影響を与えかねない。「きちんとした身なりをした人だな」とか「きちんとした物腰の人だな」という印象は、その人への信頼感に繋がる。後々その人がたった1回だけ口を開いて報酬のことを話した時に、ぐ〜んと説得力が全然違ってくるんだ。

IT系の面接だからってカジュアルな格好で来たら、軽く見られるというか、値踏みされかねない。そういう意味では、きちんとした身なり、応対をしておくということは、後々自分の発言力を高めるという観点からも、大いにプラスになる。そこをきちんとわかっていないと、いくらその後で巧みな話術を駆使して、年収交渉を始めても、効果は半減しちゃうってことです。

要するに、これまでも何度も繰り返し強調してきたけど、徹頭徹尾「相手目線」で考えることで活路が開けるということだよ。みんな、がんばれ!

給与交渉 梅森浩一の格言

  • 年収ダウンから這い上がるのは難しい
  • マイ・ストーリーなき転職がキャリアを崩す
  • 「相手目線」で考えることが活路を開く!
アップダウンサイジング・ジャパン
代表 梅森浩一

日系企業と外資系企業2社を経て、35歳でケミカルバンク東京支店の人事部長に就任。以後、2社の外資系金融機関の人事部長を歴任。現在は「アップダウンサイジング・ジャパン」(URL:www.updownsizing.com) を主宰し、企業コンサルティング、講演活動などを行う。著書多数。最新刊に、『はぐらかしの技術』(日本経済新聞社)と『「採用したい!」と言わせる技術』(大和書房)がある

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