“日本初”のプロスポーツ選手エージェントが語る 年収アップのための「給与交渉術」 第2回 ガンバ大阪・宮本恒靖編(2/4)

FIFAに加盟するJリーグでは代理人制度が進んでいる

だから、時には最初から現実的な金額を言った方がいい場合もあります。選手本人の性格にもよりますが、プロのスポーツ選手として一番考えなければいけないのは、「そのチームに残りたいかどうか」なんです。

残留したいと思えない場合、ある程度移籍先にめぼしがついているなら、自分の要求を押し通すのもありだと思います。サラリーマンの人もそうですよね。資格などを持っていて転職先がいくらでもある人なら、強気に年俸交渉を進められます。でも、その環境にいるしかない人ならそうもいかないでしょう。華々しく見えるプロのスポーツ選手だって、基本は同じことなのです。

ただ、年俸交渉でもめたとしても、労働法の関係でサラリーマンは解雇されることはまずありませんが、野球選手やサッカー選手は「1年契約」という特殊の契約になっていますから、そのあたりはかなりシビア。選手の希望額と球団の提示額にあまりにも開きがありすぎると、「じゃあ、ムリだな」ということで放出されたり、自由契約にされたりすることもあります。

マイナス要素を凌駕するような“プラスα”を強くアピール!

だから、選手の希望額が明らかに高すぎる場合には、チームと契約交渉に入る前にまず選手と代理人で十分に話し合い、金額の幅に関して合意しておくことが非常に重要です。そのまま契約交渉に入っても決裂するのは目に見えていますから。

もちろん、選手側の代理人ですから、少しでも選手に有利な形で契約をまとめようと努力はします。ただ、希望の金額に根拠があればいいのですが、その根拠も示せずにただ1億欲しいとか2億欲しいと要求するのは論外です。

選手が代理人の説得に一切耳を貸さず、あくまで根拠のない数字を押し通そうというなら、代理人の仕事をお断りするしかありません。初めから「負け」が見えている交渉など成立するわけがないですから。つまり、代理人の仕事はチームのフロントと交渉することがメインですけれども、契約交渉を成功させるためには、「本人を説得する」ということも非常に大切になるのです。

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