“日本初”のプロスポーツ選手エージェントが語る 年収アップのための「給与交渉術」 第2回 ガンバ大阪・宮本恒靖編(3/4)

交渉における一番の要点は「敵を知ること」

スポーツ法学のオピニオンリーダーである辻口氏。国内トップクラスのスポーツ選手からの信頼も厚い

さらに年俸交渉において困難なのは、現場とフロントでは微妙に温度差があること。現場の認識がそのままフロントの人に通じるとは限りませんからね。

交渉の一番の要点は、“敵を知ること”です。サッカーにせよプロ野球にせよ、選手が年俸交渉する相手は、選手の父親か年齢が離れた兄のような人です。彼らはサラリーマンだが、いわゆる“普通のサラリーマン”ではないことも多い。

例えばプロ野球選手になったけれど芽が出ず、その後フロントに入ったケースがかなりあります。フロントで働く人たちは、年収500〜600万とか、プロ野球選手の年俸からすれば段違いの差ともいえる安い給料で、一生懸命に働いている。

フロントの人たちと話をする中で、例えばあるプロ野球選手が年俸を何千万円ももらっていると、フロントの人にはもともと選手に対するやっかみもあるうえ、言葉遣いや態度などが高飛車な場合もあって、選手との人間関係に軋轢(あつれき)が生まれることが少なくない。そういうフロントの人を相手に年俸交渉をするのが嫌だから、選手は代理人をつけてほしいということになるのでしょう。

カギを握るのは“コミュニケーション”

言葉遣いや態度などで、交渉には相手の立場を思いやることも大切です。フロントが交渉のテーブルにつくということはすなわち、フロントもその選手を必要だと思っているのです。

選手としても別に弱気になる必要はないのですが、選手側が苦手意識を持っていることが多いフロントの人とのコミュニケーションをどういう形で展開できるかが、交渉の成否の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

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