“日本初”のプロスポーツ選手エージェントが語る 年収アップのための「給与交渉術」 第3回 オリックス・清原和博編(2/4)

選手本人の説得も交渉成功のキーポイント

最終的には人と人とのつながり。パワーバランスを見誤ると、逆にいい結果が生まれないことも

だから、選手の希望額が明らかに高すぎる場合には、チームと契約交渉に入る前にまず選手と代理人で十分に話し合い、金額の幅に関して合意しておくことが非常に重要です。そのまま契約交渉に入っても決裂するのは目に見えていますから。

もちろん、選手側の代理人ですから、少しでも選手に有利な形で契約をまとめる努力はします。ただ、希望の金額に根拠があればいいのですが、その根拠も示せずにただ1億円ほしいとか2億円ほしいと要求するのは論外です。

選手が代理人の説得に一切耳を貸さず、あくまで根拠のない数字を押し通そうというなら、代理人の仕事をお断りするしかありません。初めから「負け」が見えている交渉など成立するわけがないですから。つまり、代理人の仕事はチームのフロントと交渉することがメインですけれども、契約交渉を成功させるためには、「本人を説得する」ということも非常に大切です。

人間力を“肝”にした交渉戦術を

交渉がうまくいかない場合、実績のある選手であれば、交渉術としてはわざと怒ってみせるというのもありえるし、ハッタリで別の選択肢をにおわしてもおかしくありません。ただ、僕自身はそういうやり方があまり好きじゃない。そこはあくまで、人間性の問題だと思います。

前にもお話したように、交渉事がうまくまとまるかどうかは、最終的に人間力(“ニンゲンリキ”)や誠実さに委ねられるというのが僕の考えです。そこを抜かしてしまった交渉は、年収アップを勝ち取ることができたとしても、後で必ずツケが回ってくると思っています。

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