“日本初”のプロスポーツ選手エージェントが語る 年収アップのための「給与交渉術」 第3回 オリックス・清原和博編(3/4)

横柄な態度はセカンドキャリアを損なう!

別に、「交渉でゴネたらアカン」と言っているわけではないのです。選手時代にお金のことでガンガン交渉して得られる結果には2つの側面があって、「金にうるさい嫌な奴だ」と見られてしまうことがある一方、経営者に「あそこまでしっかり交渉できるのなら、引退後も結構やってくれるんじゃないか」と評価してもらえることもあります。

古田選手は選手会長時代に組合の交渉でずいぶん頑張ったことで、経営層からの評価もかなり高い。むしろマズイのは、お金の話うんぬんよりも、交渉時に自分の父親ぐらい年の離れた人に対して横柄な態度を取る選手がいることです。

こういう振る舞いは、人間としてやってはいけない。セカンドキャリアを考える際にも、例えば引退してテレビの解説者になろうという時に、「あいつはアカン」と言われてしまう。“ニンゲンリキ”が大事だと言っているのにはそういう意味があるのです。

双方が“渋い顔”で終わる交渉がいい

交渉事で一番いい結果は、双方が“渋い顔”をして終わる形です。つまり、双方に不満やマイナス要素が残ることです。スポーツ選手の契約交渉にせよ、個人の離婚調停にせよ、どちらかが小躍りして喜ぶというのは、弁護士の仕事としては失敗だと思っています。むしろ、お互いが「ま、仕方ないか」という感じで「痛み分け」するのが、交渉の結果としてはベストですね。

なぜ痛み分けがいいのかというと、あとで恨みが残らないからです。一方だけが満足して終わったなんていうと、後々何か嫌なことが起こりかねませんから。双方が「win-win」で終わるのが一番とはいえ、現実にはそういう考えは理想論に過ぎません。

球団側は限られたパイの中でやりくりしなければいけない中で支出を少しでも抑えようとするし、選手としてはもらえる時に少しでも多くもらっておきたいのが本音。基本的には、双方の利益は相反しているわけですから。

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