「お客様の期待に応えたい」と思う“心”と、そこで働かせる“知恵”がどれだけあるかで営業成績は決まるといっても過言ではないと語る高橋宗照氏。できる営業マンになるためには何をすればよいのか? 今すぐにでも試してみたい営業のちょっとした工夫や交渉のコツなどを伝授する!

第1回 売れる営業マンのコンピテンシーとは?

“話の内容"よりも”話し方"が重要


高橋宗照 氏
大手注文住宅メーカーで10年間注文住宅の営業職に従事。その後、不動産デベロッパーにて事業計画の立案を経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社し、経営及び営業活性化を行う。2002年1月、コンピテンシーや経営コンサルティング会社株式会社 タカハシ&パートナーズを設立し、代表取締役に就任。

 「人様に物を売る」行為は、たとえ売るモノや値段が変わったとしても、本質は変わることはありません。毎月の営業成績上位の顔ぶれがいつも同じだったり、トップ営業マンが転職して売るモノが変わってもトップ営業マンであり続けるケースは、決して偶然ではないのです。そこには、「売る」という行為に求められる共通のコンピテンシーが存在しています。

 営業が常に人に接する仕事である以上、「第一印象が良い」ことは売れる営業マンの必須条件です。メラビアンの法則(※)によれば、第一印象で影響を与える要素は、「行動態度」が55%、「話し方」が38%で、「話の内容」はわずか7%に過ぎません。つまり、どんなに素晴らしい内容の話をしても、行動態度や話し方に問題があれば、相手に悪い印象を与えてしまい、営業は失敗に終わる可能性が高くなります。

 ここでいう「行動態度」は服装や表情・仕草、「話し方」には声のトーンや大きさなどが含まれます。清潔感のある服装をする、明るい表情で割舌よく話すといったことだけでも第一印象はかなり良くなります。自分では気付いていないかも知れませんが、いつも口角が下がった表情であったり、眉間にシワを寄せながら話している人は案外多いものです。営業マンは、外見のちょっとしたことが営業成績にも大きな影響を与えていることを認識して、服装や表情、話し方などについてもっと研究すべきなのです。

 ただ、表情をいきなり「明るくしろ」と言われても簡単にできるものではありません。表情にはどうしてもその人の私生活がにじみ出ますので、例えば楽しい趣味を持つとか、旅行をするとか、仕事以外のプライベートな時間を充実させることも重要です。

※メラビアンの法則
話者が聴衆に与えるインパクトには、3つの要素があり、それぞれの影響力を具体的な数値で表した法則。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した。


ランチョンマット持参で印象が大幅アップ

 「気配りができる」ことも、売れる営業マンには欠かせないコンピテンシーです。例えば、お客様の自宅にうかがった際、平気でカバンを床に置く営業マンがいますが、キレイ好きな奥様からすると、それは土足で家に上がられるのに等しい。

 ある知り合いの営業マンが、ランチョンマットを持参してその上にカバンを置いたら、それだけでお客さんの印象が随分変わったそうです。あまり神経質になり過ぎるのも逆効果ですが、一般的に見て「こういうことをしたら気にする人はいるだろうな」という程度に気を使えるかどうかで、営業成績は大きく左右します。

 営業マンであれば当然、言葉使いにも気を配る必要があります。でもそれは、ただ丁寧に話せということではありません。例えば住宅営業の場合、平日の昼間に奥様とお話することが多いのですが、その際、親しみを込める意味で、奥様に対し"タメ口"で話したとします。一方で、ご主人を交えての話し合いの場では丁寧な話し方をしたとしたら、奥さんは、「この態度の違いは何なの? 私をバカにしているの?」と不愉快に感じても不思議ではないでしょう。

 トップ営業マンともなれば、奥様に対してもご主人に対しても同じ話し方で接するのは当然のことです。

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