「お客様の期待に応えたい」と思う“心”と、そこで働かせる“知恵” がどれだけあるかで営業成績は決まるといっても過言ではないと語る 高橋宗照氏。できる営業マンになるためには何をすればよいのか? 今すぐにでも試してみたい営業のちょっとした工夫や交渉のコツなど を伝授する!

第2回 個人の特性に合わせた説得・交渉術

几帳面なお客様ほど、きめ細かく対応


高橋宗照 氏
大手注文住宅メーカーで10年間注文住宅の営業職に従事。その後、不動産デベロッパーにて事業計画の立案を経験。その後、株式会社船井総合研究所に入社し、経営及び営業活性化を行う。2002年1月、コンピテンシーや経営コンサルティング会社株式会社 タカハシ&パートナーズを設立し、代表取締役に就任。

 お客様には色々なタイプの人がいますので、あるお客様には効果的だった交渉術が、他のお客様には逆効果になることもあります。営業成績を上げるためには、お客様のタイプに合わせて、交渉の方法を変える必要があるので。

 私のお客様は医師や歯科医が多かったのですが、彼らはものすごく几帳面で、慎重です。ある時、モデルハウスに来た医師のお客様が天井を指差しながら、「このモデルハウスは、ここの部分が反対側に対して少し下がっていないか?」と言うんです。そこで、実際に測ってみたら、確かに1mm下がっていたことがありました。日常的に神経一本を扱ったり、歯の細かい治療などを行っていれば、几帳面にならざるを得ないでしょう。几帳面な人に対してはこちらもきめ細かく、誠実に対応するしかないですね。

 そういったお客様は自分の頭の中で疑問点を体系的にまとめた上で、次から次へと質問を投げかけてきます。それで営業マンを試しているのかもしれません。もし、その質問の1つでも答えられなければ、彼らからの信頼を失ってしまう。もし、分からないことがあれば、「調べて明日の朝一で答えます」と言いましょう。いい加減な回答をしたり、知らないのに知っているフリをするのは最悪です。

 でも、彼らが細かく問いただすのは最初だけです。「この営業マンは信頼できる」と思った瞬間から、詳細な質問などは必要なく、印鑑をポンポン押してくれるようになります。しかし、一度信頼を失ったら、彼らは二度と戻っては来ないことを肝に銘じてください。


インテリタイプには選択肢を用意

 社会的地位が高く、頭がよくて攻撃的なタイプの人に対しては、徹底して話を“聞く”ことです。「教えてください」と下手に出て、話を聞き出してもよいでしょう。攻撃的であることは、彼らにとっての“防御”であり、他人に対しての“鎧”なんです。それを解くには、好きなだけ攻撃させてあげるのが一番効果的。「コイツは本当に俺の話をよく聞いてくれる奴だな」と思われれば、相手は自然と鎧を脱いでくれます。そこまでいけば、契約できたようなものです。

 ただし、このタイプのお客様にクロージングする際、「あなたにはこれしかないんですよ」というやり方はいけません。提示されたものがお客様にとって満足するものだったらよいのですが、もし受け入れられないものであれば、そこで終わってしまいます。そうならないためには、必ず2つか3つの選択の余地を与えてあげることです。これは、お客様がインテリであればあるほど効果的です。なぜなら「最後は自分の頭で判断して、納得して決めたい」と考えているからです。

 逆に、「私のお勧めはこれです。これが確かです」と教えてあげた方がよいタイプのお客様もいます。このタイプは普段から人に指示されることに慣れてしまっている人たちです。

 お客様がどのタイプかは、職種や役職を見ればだいたい想像が付くはずです。仕事はその人の性格を作り上げているといえるでしょう。例えば、公務員や銀行員を長年やっている人ならば、ほとんどの人が慎重で、安定を求めるので、まず冒険はしません。また、周りの人が認めることは無条件に受け入れる傾向も強いので、「最近人気があって、地震が起きても安心なモデルです」といったセールストークで納得してもらえることが多いですね。

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