同じ内容であっても、“伝え方”によって聴き手が受ける印象は大きく変わるものだ。では、どのように伝えればよいか? コミュニケーションの専門家・箱田忠昭氏が、誰もが習得可能なプレゼンテーションのノウハウを伝授する!

第3回 プレゼンテーションのテクニック Part1(視覚化)

全情報の83%は視覚を通じて獲得

箱田忠昭さん

■箱田忠昭さん
日本コカ・コーラの広告部マネージャー、エスティ・ローダーのマーケティング部長、パルファン・イヴ・サンローラン日本支社長を歴任。その後、1983年にインサイトラーニング株式会社を設立し、代表取締役に就任

 ある調査によると、人は五感を通じて1日平均で文庫本151冊分の情報を得ており、そのうち83%は視覚を通して獲得しているそうです。

 アメリカ海軍は、(1)言葉だけで説明、(2)図表だけを見せる、(3)図表を見せながら、同時に説明を加える―――の3つの方法のプレゼンを、3つのグループに対して行い、時間の経過とともに記憶保持量がどのように変化するのか比較する調査をしました。結果は、言葉と図表を組み合わせて説明したグループの記憶が最も正確に残っており、言葉だけで説明したグループはほとんど記憶に残らなかった、と出ています。

 このデータから視覚に訴えるプレゼンテーションが一番わかりやすく、記憶に残ることは明らかです。英語では「分かる」=「I see(私は見る)」と言いますし、「To see to believe(見ることは信じることである)」という“ことわざ”もあります。もし、ペラペラしゃべるのがプレゼンテーションだと思っている人がいたら、その考えは改めるべきでしょう。


多くの文章は図解可能

 視覚物にはさまざまなものがありますが、最近はPower Pointを使ったパソコンによるプレゼンテーションが主流になっています。

 ただ、せっかく時間をかけて手の込んだPower Pointのスライドを作っても、必ずしも聴衆にとってわかりやすいプレゼンテーションにはなっていないと感じるものも多いのではないでしょうか。その多くが文章や数字の羅列したものです。スライドに小さな文字をびっしり書き込んだり、単に表をコピー&ペーストしたりするだけでは、Power Pointを使う意味がありません。文章や数字を羅列したスライドは、聴衆にとってはいい“睡眠薬”です。

 文章はイラストに置き換える必要があります。Power Pointによるプレゼンテーションでは、よく「大見出し+箇条書き」のスライドを見かけますが、これもあまり感心できません。多くの文章は図解できるはずだからです。

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