資格図鑑

第9回  【クリエイティブ系:制作・編集編】  〜 紙も、WEBも、何でもござれ! 〜

 コンピューターの普及により、さまざまな業界で業務フローや表現方法、ひいてはその業態までもが劇的に変化したが、出版・印刷業界はその最たるものだ。例えば、DTPは印刷物制作において効率・品質両面において飛躍的に向上させ、そのことで圧倒的に効率の良いワークフローを確立するに至ったという事実がある。

 今回の「制作・編集編」というくくりは、こういった近年の表現方法の広がりをふまえたものであり、制作と編集のつながりを再認識するためのものでもある。制作担当と編集担当には、出版物・広告物・印刷物などの「紙」と、HP・コンテンツ・記事などの「WEB」という媒体区分による専門性の違いはあるものの、同一業界内での業務領域には明確な“垣根”がないとも言われる。

 マスコミ・IT業界は資格ありきではないが、クリエイティブに働き生き残っていきたいのならば、どのような資格があるか、そしてその効力のほどを知っていて損はないだろう。

クリエイティブ系:制作・編集編イメージ
DTP検定 (民間)
DTP検定は、デザイナーから現場監督まで、DTPのスキルを職種別に認定する資格。シチュエーション別で3種類に分け、実践的にDTPクリエイターとしてのセンスと技術力を認定する。具体的には、独立を目指すデザイナーなどのプロフェッショナルに向けがプロフェッショナルDTP(I種)、企画・編集職や広報職向けのディレクションDTP(II種)、社内外向けの資料を作る営業職や事務職をはじめ、すべてのビジネスマンに向けたビジネスDTP(III種)がある。雑誌や書籍、パンフレットやカタログなどあらゆる媒体の制作に取り入れられ、DTPで作られていない印刷物を探す方がレアというほどに普及している現在、主に出版・広告・印刷業界、デザイナー、広告オペレーター、印刷会社営業において再就職の途が広く、DTP業界を目指している人には、価値の高い資格と言える。
試験内容
・I種… レイアウトデータ作成、写真画像データ作成、図版画像データ作成、出力依頼
・II種… 紙面構成の決定、原稿発注・確認、フィルム出力・印刷・加工の発注、各データの作成依頼・修正、出力依頼
・III種… レイアウトデータ作成、写真画像データ作成依頼・修正、図版画像データ作成依頼・修正
ポイント
スクール・対策講座が多彩で、デザインや印刷の専門用語からコンピューターの知識まで学ぶことが多いという事情があるため、慎重に学習環境を選ぶ必要がある。また、資格取得を奨励している企業も少なくないので、仕事を覚えながら取得を目指すのもよいだろう。
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取得者コメント
2、3年前までDTPデザイナーをしていましたが、「キャリアの補填」のためI種を取りました。近い将来、広告業界にキャリアチェンジしてアートディレクターになりたいですね。
(DTPオペレーター・29歳・男性)
女性誌などの華やかなイメージのある誌面をデザインしてみたいという気持ちが強くあり、一所懸命勉強してI種を取得しました! 今は、広告制作会社でデザイナーをしています。
(DTPデザイナー・25歳・女性)
校正技能検定 (民間)
日本エディタースクールが1966年から実施している当資格は、新聞・雑誌・書籍などの原稿と校正紙を引き合わせ、誤字脱字、カタカナや漢字の表記、書体やレイアウトをチェックするという、校正者に必要な知識と技能を証明する。
現在4級と3級(4級合格者のみ受験可)の2段階の試験を実施。フリーで仕事をしたいなら3級取得を目指したい。資格取得が、「一定レベルの校正ができる」という証明になるため、社外校正者採用の際の目安にしている出版社もある。収入は、1字あたりいくら、ページ数による出来高制、拘束時間による報酬などさまざま。出版物一冊まるごと任せられるようになると安定収入も望めるが、当然信頼に値する技術と経験が必要となる。取得者の中に、結婚・出産後にも校正の仕事を続けている女性が多いのも特徴的だ。
試験内容
・実技試験(各90分)  ※3級の場合
1、縦組原稿引き合わせ 2、横組原稿引き合わせ 3、赤字引き合わせ・素読み
・学科試験(○×式および、筆記式 50分) 
1、校正に必要な知識(編集・制作基礎知識、校正作業知識) 2、国語・表記等の知識(文字、仮名遣い、送りがな及び一般知識)
ポイント
校正記号を正確かつスピーディーに使いこなし、見落としなどのミスがないようにするために、とにかく作業の数をこなしていくに尽きるだろう。また、言葉そのものを扱う仕事なので、世に出回る言葉や活字にアンテナを張り、ボキャブラリーを蓄えておく必要もある。
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取得者コメント
以前は月刊誌の編集をしていて、勉強がてら取得しました。今はWEB業界にいますが、コンテンツ編集においても、ページ割りなどのレイアウトを考える習慣は生きていると思います。
(WEBエディター・30歳・男性)
出版業界に憧れていた大学3年次、就職活動を始める前に4級を取得しました。念願叶い出版社に入り、研修中に自分だけが専門知識を持っていて誇らしかったのを覚えています(笑)
(雑誌編集者・28歳・男性)
日本語文章能力検定 (民間)
日本語文章能力検定は、内容把握能力・構成能力・表現能力・作成能力の4つの能力を、どのレベルで備えているかを判定する検定試験。資格取得は日本語の文章力を証明し、就職や進学の際に有利な材料として活用することができる。ただ、レベル設定が1級から7級(9段階)までと幅広く、就・転職に使える目安は「準1級以上」とされる。
また、この検定試験の学習を通して、表現力、思考力が向上し、ビジネスや日常生活に役立つ文章能力が身につくことに加え、敬語や類義語、文章の配列、慣用句などの知識が得られ、業務の能率と社内評価アップが期待できる。要するに、業種や職種を問わず活用できるのがこの資格の特長と言える。いわゆる「スペシャリスト向け」の資格ではないが、1人のビジネスマンとしての総合力を高めるために取得するケースは多いだろう。
試験内容
※準1級の場合(平成17年度)
・筆記試験(90分)
1、案内状の作成 2、推敲問題 3、論説文作成
ポイント
漢字力などは資格専用の問題集で鍛えることができるが、文章そのものへの理解力は、日頃から本や新聞などを読み、活字に慣れ親しんで培っておく必要がある。実際に身近な人に手紙を書いてみるのも、よいシミュレーションになるだろう。
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取得者コメント
コールセンターにてお客様からのご質問などをまとめ上げ、ソリューションにつなげてゆくポディションに就いたとき、「文章構成力」の必要性を強く感じたのがきっかけでした。
(テレマーケティング・29歳・男性)
個人的に資格取得のために勉強するのが好きで、まず「秘書検」でマナーを学び、この資格で文章の書き方や日本語力全般を学んだという感じです。役に立っているなと思いますね。
(秘書・24歳・女性)
その他の注目資格!

 まず、注目したいのが書籍製作技能検定。校正技能検定と同じく日本エディタースクール認定の当資格は、比較的歴史は浅く取得者が少ないものの、編集者を目指す人が底力を付けるには格好のものと言える。合格に近づくためには、検定試験前に実施される「訓練教室」は受講するとよいだろう。また、現在準備中である「書籍編集技能検定」も要チェックだ。
 もうひとつ、レタリング技能検定も見逃せない。実務技能検定協会主催の当資格は1〜4級があるが、実務で通用するのは2級以上とされる。レタリングの仕事は、大きくPOP制作などの文字描写と、文字の書体を作ることに分かれるが、プロのデザイナーと認められたいのなら、1級を取得するモチベーションが必須となる。
 紙媒体にしろ、Webにしろ、編集と制作とは切っても切れない間柄。質の高いものを作る上で、資格取得レベルとまではいかないまでも、「概要レベル」の専門知識を持ち、互いの業務域や必要なスキルを知っていた方がよいだろう。

「制作・編集系」資格を活かして転職する!

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