資格図鑑

第11回  【海外資格系:金融編】 〜 経済のボーダレス化の波に乗れ!〜

 経済の国際化に伴い企業活動がボーダレスになり、さらには一昔前の“会計ビッグバン”を通し国際会計基準が普及しつつあることで、多くの海外資格が流入し、米国公認会計士、CFA協会認定証券アナリスト、「MBAのミニ資格」である米国公認管理会計士などは人気を博している。

 海外資格は、国内では独占業務がないために独立には直結しないものの、外資系企業や資本の日本上陸の活発化、日本企業の海外株式市場への上場、米国内での「エンロンの不正会計事件」の後遺症などを受け、金融プロフェッショナルのニーズは強まる一方である。

 米国との関係がより密になった今や、資格を有することであらゆる業種・業態の企業に転職する道が開かれた。金融業界内で外資系企業に転職するため、米国の会計事務所で働くためなど、個人の目的に合わせて取得する自由度の高さは、まさに“As You Like”と言えるだろう。

海外資格系:金融編イメージ
米国公認会計士(CPA)(公的)
米国公認会計士は、90年近い歴史を誇る米国各州が認定する公的資格で、そのステータスの高さは弁護士と並ぶ。取得後の活躍の場としては、監査法人や会計事務所などのほか、官公庁での会計・財務を中心とする幅広いポジション、また経営職としてCFOやCEOのポストも少なくない。
業務内容については、日本の会計士と同様で、監査業務や財務諸表の作成、経営・財務・税務に関する調査、立案、相談といったマネジメントサービスをはじめ、国際税務・国際ビジネスコンサルティング業務まで、非常に広い範囲をカバーする。
世界中のビジネスマンが “財務・会計のプロ”として高く評価するため、外資系企業、国際取引のある企業、会計事務所、コンサルティングファームなどに就・転職する際には、かなり有効と言える。
試験内容
1、監査及び証明業務(270分) 2、財務会計(240分) 3、法規(180分) 4、ビジネス理論と諸概要(150分)
平成16年からコンピュータ化(年4回)、4肢択一が約70%、シミュレーション(ケーススタディー)問題が約30%で構成される。各科目75%以上の正答が合格目安。
ポイント
試験自体はそれほど難しくはないが、州によって認定されるため受験資格が異なるため、これを得ることがネックとなる。米国大学と提携して日本で単位を取得できるようにしている専門スクールを活用し、最短ルートで合格を目指すとよいだろう。
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取得者コメント
初めは範囲の広さに辟易しましたが、難易度自体はそれほどでもないので、カリキュラムを効率よく学び短期合格を目指せるスクールを探し、底力をつけてから試験に臨みました。
(NY会計事務所・37歳・男性)
大学院で経営学を専攻していたのですが、このころ英文会計に興味を持ち始め、講義の少ない日を中心にスクールに通いました。学生だったからこそ、取得できたという感じですね。
(外資系証券会社・29歳・女性)
CFA協会認定証券アナリスト (民間)
当資格は、証券に精通した能力があることを認定する国際的な資格で、経済や産業、企業の動きを分析し、株式や債券の投資価値を評価するプロとして評価は高い。
具体的な業務としては、証券会社における証券調査部門、銀行の審査業務、企業のM&A業務、など、非常に幅広い。金融や証券の自由化が進む現在においては、証券会社、銀行、投資信託、生保などで需要は急増しているため、金融業界での仕事は事欠かない。また、投資・債券市場が海外へと広がっていくため独立もありえる。
試験のレベルは、I〜IIIの3段階があり、Iは年2回、II・IIIは年1回受験できる。ポートフォリオ理論、職業倫理など高度な問題が英語で出題されるので、確かな英語力が必要となる。平成17年の試験より、レベルIIの試験は選択式に一本化されたことには要注意。
試験内容
※レベルIIIの場合
・記述&選択問題(360分、出題比率50%づつ)
1、職業倫理・行動基準 2、定量分析手法 3、経済学 4、出資契約分析 5、企業財務 6、財務分析 7、定期利益型投資の分析 8、デリバティブ 9、その他の投資分析 10、ポートフォリオ・マネジメント
ポイント
出題範囲が非常に広く、日本人の受験者もまだ少ないため、予備校形式の専門スクールに通うことや、実際に合格した人からアドバイスをもらうことが必須になる。また、証券に関するレポート対策のために、語彙力・記述力をできる限り高めておく必要もある。
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取得者コメント
証券アナリスト取得してしばらくして、「やっぱり外資系証券会社に行きたい!」と思い立ちAIMR推奨の教材と『Schweser's Notes』を併用し、ひたすら勉強しました。
(外資系証券会社・35歳・男性)
個人的な実感ですが、この試験ではかなり高い英語力が要求されると思いますね。また、統計学が理解できる力も必要となるので、そのあたりをケアしないと厳しいでしょう。
(外国為替銀行・31歳・男性)
米国公認管理会計士 (民間)
米国管理会計士は、米国管理会計士協会(IMA)が認定する国際資格で、企業のニーズに応えられる国際的な管理会計と経営管理能力を持った専門家として評価される。
企業内の立場としては、経営者などに対して経営戦略上必要なデータを提供する役割で、米国では経営者の意思決定を支える“企業計数管理のスペシャリスト”とされる。IBM、ヒューレット・パッカードなど、多くの米国企業が資格取得を奨励していることからは、その認知度の高さがうかがえる。
また、平成16年に試験制度が変わり、科目がI(Business Analysis)、II(Management Accounting and Reporting)、III(Strategic Management)、IV(Business Applications)となった。CPA試験合格者はIの試験が免除される。
試験内容
・多肢選択式問題
Part1:Business Analysis(110問、180分) Part2:Management Accounting and
Reporting(140問、240分) Part3:Strategic Management(110問、180分)
・記述式問題
Part4:Business Applications(3〜7問、180分)
ポイント
これから勉強する人は、管理会計の教科書を読み込み、管理会計の勉強が進んでいる人は、「Gleim」や「Lambers」から出ている問題集を解き、日本語で準備したい人は、受験予備校か準備コースを利用するのがよいだろう。
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取得者コメント
アメリカに留学中、当初はMBAの取得を目指していましたが、「手に職」というか、帰国してもしなくてもMBAより就職に直結する資格と聞き、管理会計士を選択しました。
(会計事務所・28歳・女性)
私は大学を卒業後、アメリカの大学院で経営学を学びつつ、取得しました。現在は、会計事務所を経営しつつ、非常勤講師として大学院で「管理会計論」などを教えています。
(大学院教授・39歳・男性)
その他の注目資格!

 まず、注目したいのが米国内国歳入庁(IRS)の登録を受けた資格、米国税理士(EA)。米国内日本でも企業活動の国際化が進んだことで、米国の税制に精通したEAのニーズは拡大しているため、外資系企業や海外に拠点を持つ企業、またこうした企業をフォローする会計事務所・税理士事務所などで能力を大いに発揮できると言える。
 もうひとつ、BATIC(国際会計検定)も見逃せない。日本と外国両方の会計ルールを熟知し、国際ビジネスの掛け橋になれる「リキャスティング能力」を持つ人材と証明される当資格は、外資系企業との取引や提携、海外からの資本調達など、業種、企業規模、地域を問わず海外と関わりを持たざるをえない現在において、その評価は高まる一方だ。

 資格によっては段階的にクリアしていくことが可能なので、学生時代に半分合格しておき、残りを働きながら受けるというように、難関度を軽減する自分なりの工夫を見出すことが鍵となるだろう。

「海外資格」を活かして転職する

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